ハム大谷が日本球界最速投手となる日

 日本ハム・大谷翔平投手のボールの勢いは、とどまること知らずだ。6月に入り、先発するたびに自己最速タイとなる160キロを計測している。プロ入り後初めてマークした4日の広島戦(札幌)から11日の巨人戦(札幌)、18日の阪神戦(甲子園)、25日のDeNA戦(横浜)と4試合連続。もはや超快速球は当たり前になってきた。

 日本球界の最速は2008年にマーク・クルーン投手(巨人)が記録した162キロ。日本人では由規投手(ヤクルト)が2010年に記録した161キロ。現在、日本人では2位の大谷。将来、日本球界最速となる162キロを上回る球速をマークする日が来るのではないかと、期待を抱かせる。

 初めて160キロをマークした後、栗山監督は「出るのは時間の問題だと思っていた」とさも、当然と言わんばかりに話していた。黒木投手コーチも「高校時代に160キロを出しているピッチャー。能力からすると当たり前。まだまだ翔平の能力はこんなもんじゃない」と言う。自己最速超えはもちろん、球界最速投手になることに期待を寄せた。

 球速の勢いも増しているが、成績も見逃せない。6月は4試合に登板し3勝無敗、防御率1・37と安定感抜群だった。

 黒木投手コーチがベストピッチと振り返るのは18日の甲子園での阪神戦だ。8回を投げ1安打無失点。「ああいう投球を続けてできることで可能性が広がります。いい投球、いいフォームの割合が増えてくることでさらによくなる。いいフォームを繰り返し見ることで、1回できたことが2回にも3回にも4回にも増えてくる」。

 阪神戦では立ち上がりから安定したフォームで投げ続けた。下半身と上半身のバランスの連動。しっかり指にかかったフォームでぶれることはなかった。球威、制球とも申し分なかった。

 まだまだ課題もある。理想のフォームで投球できる日もあれば、ばらつきのある日もあるという。「マー君(田中将大・現ヤンキース)のようにずっといいフォームで投げられるようになれば」と黒木コーチ。将来的にシーズン全勝できるような投手を目指し、理想の投球を体にしみこませるため、いい時の映像を見続け、体得を目指している。

 筋力の観点から見ても、まだまだ成長途上にあるという。193センチ右腕は身長を伸ばす骨端線もまだ、わずかながら残っているという。まだまだ大きくなる可能性を秘めた大谷。体力的にピークを迎えての160キロではないことで、期待は膨らむ。7月5日に20歳を迎え、大人の仲間入りをする右腕。最速をさらに伸ばす可能性を秘めている。

(デイリースポーツ・水足丈夫)

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