“30歳引退”さくらゴルフ人生集大成へ
女子ゴルフ界の第一人者、横峯さくらが今季開幕を前に海外メジャー制覇へ照準を定めたことを明かした。
昨季、森田理香子と激しい賞金女王レースを展開。惜しくも2位に終わっただけに、今季も狙いは女王奪回と思われたが、横峯は「自分の中では賞金女王の順位は低い。それよりも今年は米ツアーに5、6試合出るつもり。メジャーは(苦手な)全英オープンを除く4試合に出たい」と明言。昨年からメジャーに昇格したエビアン選手権は、国内メジャーの日本女子プロ選手権と同じ週に開催されるが、こちらも海外を優先する考えだ。
これまで国内ツアー優先を掲げてきた横峯の突然の心変わり。それは、ここ数年、何度も口にしてきた「30歳で引退」の思いと無関係ではない。
昨年12月に28歳になった横峯は以前から「ゴルフは30歳まで」と公言していた。昨年5月に一度は撤回する意向を示したが、ここにきて再び「30歳引退」へ心は傾きつつある。
国内通算22勝。ツアーでの通算獲得賞金は歴代2位となる約9億6000万円。所属契約やスポンサー契約を含めると、プロ生活10年間で稼ぎ出した額は20億円とも30億円ともいわれている。富と名声は十分すぎるほど手に入れた。あとは結婚し、子供を授かるという女性としての幸せを望んだとしても何ら不思議ではない。
開幕戦の前日、横峯は「30歳での引退はまだ私の中では生きている」と話した。「(全力でプレーできるのは)あと1、2年。引退しないにしても、すべての試合に出るのではなく、年間10試合とか20試合になると思う」と語り、数年後にはツアーの第一線から退く意向を表明した。
“引退”へのカウントダウンが始まる中、横峯は今季、ゴルフを始めた頃からの夢だった「海外メジャー制覇」へ積極的にチャレンジすることを決めた。万全の状態でメジャーに臨むために、日本ツアーを欠場して早めに現地に入ることも検討しているという。
「これまで自分の中では海外メジャーで勝つことは難しいと思っていたけど、そろそろ狙えるだけの力はついてきたと思う」とも語った。父・良郎氏の勧めで初めてクラブを手にしたのは8歳の時だった。それからちょうど20年。積み重ねてきた技術と経験、そして自信を支えに、横峯はゴルフ人生の集大成に取りかかる。
(デイリースポーツ・工藤直樹)
