飯塚“エース区間”で互角の走り 桐生、山県、ケンブリッジの陰に隠れた実力者

 男子400メートルリレー決勝 第1走者の山県(左)からバトンを受け走りだす第2走者の飯塚=リオデジャネイロ(共同)
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 「リオ五輪・陸上男子400mリレー・決勝」(19日、五輪スタジアム)

 日本がアジア記録(37秒68)を更新する37秒60でジャマイカに次ぐ2位となり銀メダルを獲得。100mの持ちタイムではメンバー4番目(10秒22)の飯塚翔太(25)=ミズノ=は、各国のエースクラスが集う第2走者として堂々の走りを見せて、快挙達成の原動力となった。

 一般的に400mリレーでは、直線を走る第2、第4走者に主力を配置することが多い。直線走路でスピードを最大限に生かすためだ。今回のメンバーで100mの持ちタイムは桐生の10秒01が最高。2番手は山県の10秒05で“順当”ならばこの2人が第2、第4走者を任されてもおかしくない。しかし、実際には飯塚とケンブリッジが“エース区間”を任された。

 だが、これは飯塚らの適性を見ての配置だったと考えられる。100mの持ちタイムこそ4番手だが、リレーで必要とされるのは助走をつけた『加速走』のスピード。飯塚は2011年世界ジュニア200mで日本選手初の優勝を勝ち取ったように、加速してからのスピードなら他の3人に引けを取らない。加えて山県のスタートダッシュの上手さ、桐生の巧みなコーナリング技術などが考慮されたとみられる。

 飯塚はそれを証明するように、ガトリン(米国)、ブレーク(ジャマイカ)ら各国のエースクラスが集う区間で互角以上の走りを見せ、メダル獲得に向けた「最高の位置」(桐生)で後の走者につないだ。

 レース前に競技場に入場する際には「侍ポーズ」を発案するなどチームのムードも盛り上げた。大仕事を終えたメンバー最年長の25歳は、銀メダリストとして競技場内を1周して「普段は味わえない雰囲気だった。誇らしい」と満足げに振り返った。

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