【評論】釜本邦茂氏・日本‐韓国戦
「ロンドン五輪・サッカー男子・3位決定戦、日本0‐2韓国」(10日、ミレニアムスタジアム)
日本サッカーの課題が出てしまいました。つなぐサッカーはできても、ペナルティーエリアの中に入っていけない。ドリブルで突破してシュートで終われませんでした。
韓国を見てもらえばよく分かります。1点目も2点目も、チャンスと見るや、みんな入ってきますよね。放り込んで、その後のこぼれたボールを狙う。そこで日本がミスをすれば1点入る。そうでなくとも、日本の最終ラインは押し上げられませんでした。
日本では支配率のことばかりが言われていますが、結局は点を取らんといかんのです。パス、パス、パスでゴールの枠までパスをするというのは一つの理想でしょうけど、バルセロナでもないと難しいでしょうなあ。
あとは、高さのある杉本君を入れたのなら、高いボールをもっと使わなきゃいけない。「何のために出てきたんだ!」となりますよ。大会を通じてスピードが光っていた永井君は、スペースがある時は活躍できるのですが、引いて守られると何もできなかったですね。
大会前、私は「男子はメダルは取れない」と発言しました。惜しくも手がかかったところで敗れてしまったとはいえ、ベスト4という結果はよくやったと思います。今後のサッカー人生の糧にしてもらいたいですし、サッカー界全体にとっても、次の五輪につながると思います。(68年メキシコ五輪銅メダリスト=得点王、日本サッカー協会顧問)
