バドミントン無気力試合で4ペア失格

 世界バドミントン連盟(BWF)は1日、ロンドン五輪の女子ダブルス1次リーグで無気力試合があったとして、ベスト8入りした中国、インドネシア各1組と韓国2組の計4ペアを失格処分にしたと発表した。失格したのは第1シードの王暁理、于洋組(中国)、メイリアナ・ジャウハリ、グレイシア・ポリー組(インドネシア)、第3シードの河貞恩、金ミン貞組、鄭景銀、金ハナ組(以上韓国)の各選手。準々決勝以降の組み合わせを有利にしようと、1次リーグ最終戦で双方がわざと負けるようなプレーをした。

 スポーツ界に衝撃が走った。五輪の舞台で起きた、無気力試合によるバドミントン女子ダブルスでの大量失格。対戦したペアの双方が負けようとして、サーブをネットに掛けたり、ショットを大きく外したり…。英BBC放送によると、問題になった試合でラリーは長くて4本しか続かなかったという。

 大会組織委員会のセバスチャン・コー会長は「気がめいる。誰がそんなものを最後まで見たいと思うだろうか」と不快感をあらわにした。

 無気力試合があったのは、2連勝でベスト8入りを決めたペア同士による1次リーグ最終戦。準々決勝以降の強豪や自国ペアとの対戦を先延ばししたいなどの理由で、グループ2位通過を狙った結果だった。

 フェアプレー精神に反する醜い光景が広がった背景には、今大会で初めて採用された1次リーグがあった。BWFは弱小国・地域の選手が1回戦敗退で終わってしまうのを避け、競技の普及と露出アップを図るため1次リーグを導入。トーマス・ルンド事務局長はその効果を強調しながらも「問題がある」と認め、改善を約束した。

 藤井瑞希とのペアでベスト4入りを決めた垣岩令佳(ともにルネサス)は「スポーツでこういうことが起きてしまったことがとても悲しい」と話したが、日本ペアも騒動と無縁ではなかった。

 B組3位で8強入りを逃したインド代表チームが、同じ組だった藤井、垣岩両選手が2位で通過するため台湾ペアに意図的に負けたと抗議したのだ。BWFは取り合わなかったが、日本代表の舛田圭太コーチは「ありえない話。びっくりしている」と驚きを隠さなかった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    デイリーおすすめアイテム

    注目トピックス