内村、ミス連発…「何やってきたのか」
「ロンドン五輪・体操男子・予選」(28日、ノースグリニッジ・アリーナ)
28日、男子の予選を行い、団体総合の日本は内村航平(23)=コナミ=が鉄棒、あん馬で落下などで精彩を欠き、合計270・503点の5位となり、8位までの決勝進出を果たした。米国がトップで、北京五輪優勝の中国は6位。個人総合は世界選手権3連覇中の内村が9位、山室光史(コナミ)は18位で突破した。種目別は床運動で内村が2位、平行棒で田中佑典(コナミ)が1位、田中和仁(徳洲会)が2位となり、上位8人による決勝に進んだ。予選の得点は決勝には持ち越さない。
内村の表情は、少し青ざめていた。鉄棒、あん馬で落下。エースらしからぬミスを犯せば、山室、田中兄弟にもミスが続出。至上命題だった1位通過はおろか、米国、ロシア、英国、ドイツに次ぐ5位だった。
複数の金メダルを狙う内村は、個人総合で9位通過。床以外の種目別決勝に残ることもできなかった。「今まで何やってきたのかわからないですね、ホントに」。つぶやいた言葉に、悔しさがにじんでいた。
最初の種目の鉄棒では、公式練習に続いて離れ技コールマンで落下した。普段なら簡単に決めてしまう技での失敗。「タイミングも合っていたし、いけると思った。やはり五輪は何が起こるかわからないというのをあらためて実感した」。重圧を感じたことがないと話す男にとって、初めての感覚だった。
一騎打ちとみられていた中国は、日本より下の6位。30日の決勝は大混戦の様相となった。決勝はつり輪からのローテーション。1位通過で床からの想定をしていた日本にとって、大きな誤算だ。
果たして立て直すことはできるか。内村は「失敗で終わらせないようにしたい。しっかり次に生かしていけば成功へのカギもつかめてくる」と、自らに言い聞かせるように話した。エースの、そして体操ニッポンの真価が問われる。
