猪木氏 アリ戦は「大変な興奮と怖さ」

沈痛な面持ちで死去したモハメド・アリ氏の思い出を語るアントニオ猪木(撮影・開出牧)
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 ボクシング元ヘビー級世界王者のモハメド・アリ氏が3日に米国の病院で74歳で死去したことを受け、元プロレスラーで参院議員のアントニオ猪木氏(73)が4日、都内で会見。「アリ氏のご冥福をお祈りしたい。とにかく元気に旅立ってほしい」と弔い、かつての敵との思い出を明かした。

 世紀の一戦の後、2人は親交を深めた。猪木氏は、アリ氏の結婚式に招待された時に2人で交わした言葉が今でも心に残るという。「『お互いあれでよかったよな』って彼が言って、『俺もそう思う』と。(試合直後は)彼はお遊びだと言っていたが、あれは彼の照れ隠しだったんだと思う。素直にお互いを認め合って、『あんな怖い試合はなかったよ』と彼が言ってくれて。俺自身も大変な緊張と興奮、怖さもあった」と懐かしそうに振り返った。

 アリ氏なくして今の自身の地位はなかった。「師匠の力道山もそうだが、偶然なのか必然なのかでいうと必然(の出会い)。お互いの節目になるものがあって必然的に実現した。アリのおかげで自分の名前が世界に出て、政治の場でも外交をやってますが、『アリとやった』と説明すると相手が背筋を伸ばす。(そのおかげで)人とは違う外交ができる」。政界での活躍もアリ戦の“遺産”だと振り返った。

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