辰吉、次男・寿以輝への思い

 ボクシングの元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(45)が10日、大阪市内で自身のドキュメンタリー映画「ジョーのあした-辰吉丈一郎との20年-」(2月20日・大阪先行公開、同27日から順次全国公開)の完成披露試写会で阪本順治監督(57)と登壇した。

 25歳から自身を追い続けた阪本監督が、引退を待たずに映画化したことで「ワシまだやっとる。勝手に何やっとんねん、気分悪い!」と壇上で“糾弾”。それでも「家族ぐるみやからね。ああ、またおるって感じ」と、映画では親しい間柄ならではの素顔を見せている。

 現役にこだわる辰吉を撮り続けた阪本監督は「4つ目のベルトを獲ると決めた以上は神棚(に置いて)触らない人。それは絶対。他人の人生をどうこう言えない」と、今後も追い続ける意向。辰吉は「触らぬ神にたたりなしやで」と笑いを誘った。

 今月8日に、次男・寿以輝(19)が3月27日にプロ4戦目を行うことが発表された。「オレはトレーナーじゃないからね。練習も見てないし」と無関心を装った辰吉だが、前戦で初めてKOで勝利できず涙した息子には「それは努力が足りんということ。成長してない」と厳しいげきを飛ばした。

 一方で「ずぶの素人から始めたが、おやじがワシやから(相手は)つぶしがいがあるやろう。追う人間より追われる方がつらい」と二世としての重圧には理解を示す。「自分に覚悟があればもっと前に行けるはず。学ぶべき点がそこら中に転がっとる」と成長過程の愛息を見守っている。

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