ボクシングのリオデジャネイロ五輪アジア・オセアニア予選（３～４月、中国）代表選考会が２５日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで行われた。ライト級では、１２年ロンドン五輪銅メダルの清水聡（２９）＝ミキハウス＝が成松大介（自衛隊）に判定負け。過去の実績等も加味されたが、代表入りは逃した。

　１４年１１月からの１年間の出場停止明けで、１４年アジア大会以来、１年４カ月ぶりの実戦復帰となった。軽快な動きを見せたものの、２回終了時にバッティングで額から流血し、その時点で試合終了した。

　ホチキスで傷口をふさいだ清水は「試合は楽しめたし納得している。ヒット数は僕の方があったが採点基準はいろいろある。成松選手との対戦は３回目だが強くなってる」と納得した様子だった。今月に入り、ロンドン五輪後に紛失していた銅メダルが自宅から出てきたばかりとあって、「見つかったからダメだったのかな…」と苦笑いした。

　日本連盟の山根明会長は、ロンドン五輪で日本勢４４年ぶりのメダルを獲得した清水への思いをぶちまけた。「ずっと連盟に貢献してくれて、清水なくして村田の金メダルもなかった。情でいえば選出してあげたいが胸が痛い。成松が結果を出している以上、連盟としては選ばないわけにはいかない」と苦しい胸の内を明かした。

　ただ、成松がアジア・オセアニア予選で上位３位＝出場枠を獲得できなければ、３大会連続五輪出場の可能性が残る清水は「まだ望みがあるので、一生懸命頑張る」と最後まであきらめない覚悟を示した。