井岡一翔、地獄キャンプに秘密兵器投入
「ボクシング・WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦」(12月31日、エディオンアリーナ大阪)
ボクシング史上最速の世界3階級制覇王者・井岡一翔(26)=井岡=が和歌山県白浜町で行うキャンプ2日目の17日、新兵器「ドローン」を投入した。一翔は大みそかのV2戦で4月に王座を奪った同級2位のフアンカルロス・レベコ(32)=アルゼンチン=と再戦する。
早朝6時に始まった白浜ゴルフ倶楽部での恒例の地獄トレ。井岡ジムで恐れられる“魔の5番”はグリーンから見上げてもティーグラウンドが見えない超打ち下ろしホールだ。
約400メートルの急勾配を全力で駆け上がる一翔ら井岡ジムの軍団。その上空には「バババババ~」と音を響かせ密着マークするハイテク機器があった。
同ジムの後援者で井岡一法会長と親交深い小堀貞治氏が持ち込んだ小型無人飛行機「ドローン」。1500メートル上空から180度撮影可能で総額40万円。映像機能は4K解像度を誇る優れものだ。
これまで、主に景色しか撮っていなかった小堀氏がキャンプでの選手撮影を希望し、会長も快諾。コースの中央で上下、前後に自在に操り、一翔らを追い回した。
ただでさえ“地獄”が上空から一挙手一投足、苦もんの表情まで鮮明に映され続ければ、気を抜く暇もない。ラスト10本目、一翔は、酸欠状態に陥り、ゴールするや、芝の上にぶっ倒れた。
「きつかった。もう最後は意識が飛んだ。このゴルフ場で毎回やってるけど、慣れるものじゃない。でも、これをやると、帰ってからのスパーリングの動きが全然違う」と、限界を超えた様子で話した。
キャンプは18日まで2泊3日の予定だったが、午後以降、天候が悪化。回復見込みもなく午前で打ち上げ。「残念ですけど、1回、ゴルフ場を走れたので良かった」と一翔らは午後に大阪に戻った。
