【一問一答】天龍、妻に「感謝の気持ち」
「~天龍源一郎 引退~ 革命終焉 Revolution FINAL」(15日、両国国技館=1万522人)
ミスタープロレスこと天龍源一郎(65)が引退試合を現IWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカ(28)と行い、オカダの必殺技レインメーカーからの片エビ固めで敗れた。試合直後は「いやあ、負けたー」と絶叫。引退セレモニー後に臨んだ会見ではすがすがしい笑顔も見せた。
会見の一問一答要旨は次の通り。
-心境を。
「悔しいですよ。でも、この体の痛さが今までの人生を全て物語っているようで心地よいですね」
-オカダは非情なまでに攻めてきた。
「彼と戦って、(プロレスは)進化していると思っている。俺のプロレスは掘り下げるプロレスだったけど、彼は一歩一歩、新しいプロレスを俺に体験させてくれました。いい体験であり、ラリアートもシャープというか、いいのが入りました。こんなこと言うのもしゃくだけど、最後にふさわしい相手だったと思います」
-平成のプロレスを堪能した。
「十分、見せつけられましたよ」
-最後までやりきれたか。
「出せたと思っていますよ。逆に鋭角的なパワーボムもやれましたし。(オカダは)そこを起きてきたわけだから。彼は受けの技術を持っていると思う」
-3カウントを聞いて。
「(ドロップキックの)いいのがバチャーンとのど元に来たなあと思った。(カウント)3が入ったとは思ってなかったですね」
-気がついたら試合が終わった。
「そんな感じですね。飛び蹴りがいいのが入りましたから。それもあるのかなと思いましたね。結構、いいのが何発かアゴに入っていました」
-歓声は耳に。
「今日は必死でした。飛び蹴りがいいところに入ったのとかもあるけど、俺自身も今日は必死でした」
-国技館の天井を見て。
「最初に相撲をとった時に土俵下にひっくり返されたのによく似てますね」
-ガウンはデビュー戦のものか。
「昔の天龍源一郎に戻ってやりたいと思ったけど、IWGPチャンプは結構なものでした。なかなかなものです。デビュー戦のです」
-オカダへのメッセージは。
「何もないです。このまま歩いてプロレス界を引っ張っていってもらいたいというのが俺の希望ですよね」
-10カウントを聞いて。
「意外と無でした。何も感じなかった。この場は二度とないんだなという感じです。これからおいおい、いろんな時間ができてくると考えることもあると思います。今は本当にオカダ・カズチカと戦い終えたというだけです」
-今後のことは。
「何も考えてないですよ。本当に。答えがあるとしたら…。(目の前に並べられたビールを手に取り)ビールでも飲みますか。俺が(阿修羅・)原とやりはじめた時に、最初に世の中に出たビールだったんですよね。あの頃と同じテイストがするか。失礼して。(飲む)。うん、シャープですね(笑)」
-ハンセン、テリー・ファンクからは。
「ご苦労さんと言われました。彼らも先に同じ経験をしていますから」
-娘の紋奈代表とはどんな会話を。
「彼女には、両国をとってくれたり、5、6人(のスタッフ)でこんだけの大観衆を集めてくれて。娘ながら…男前です」
-家族に戻る?
「こちらから一方的に言うわけにはいかないから、後で(家族と)相談します(笑)」
-目を閉じると、どんなレスラーが思い浮かぶか。
「やっぱり、今日来てくれたファンクスもそうですけど、馬場さんもそうですし、鶴田選手もそうですし、志半ばでね。僕のように最後までできなかった方達のことを思い起こします。(自分は)まがりなりにも自分の足でみんなから拍手をもらって降りられただけでも幸せだと思います」
-ものすごい観衆。
「ありがたいことです。ただひと言、ありがたいと思うだけですね。簡単な言葉ですけどね」
-一番の思い出は。
「今となっては全てが思い出です」
-奥様へは。
「今日はね、リングに上がる前に、間違っても(リングに)呼び込まないでよとくぎをさされました。(リングに呼んだのは)紋奈代表になったんですけど。(妻には)天龍源一郎を支えてくれて、ここまで押し上げてくれたという感謝の気持ちですね」