真正ジム山下会長が自立援助ホーム設立

 ボクシングの真正ジム会長を務める山下正人氏(53)が兵庫県伊丹市に特定非営利活動法人Bond、自立援助ホーム「歩(あゆむ)」を設立し、6日、同市内で開設パーティーが行われた。様々な事情により家庭で適切な養育を受けられない子供を家庭に代わり、社会が養育する仕組みで、民間では兵庫県初の施設となる。

 義務教育を終えた15~20歳の主に働く青少年を児童相談所や保護観察官からの要請で受け入れる。施設でともに生活し、社会に送り出す手助けを行う。山下会長が同法人の理事長を務め、居住する同市内にマンション1棟を確保した。定員は6人(男性のみ)。

 会長と10年来の交流がある元神戸国際大付高の教員でボクシング部顧問だった北浦俊尚氏(61)が施設長を務める。8月から運営を開始し、16歳の少年1人がすでに施設で生活している。

 立ち上げに至った経緯に関して会長は「10年くらい前から、考えていた夢だった。2年前、知人の弁護士さんと話していて『お手伝いできるんじゃないか』との言葉をいただいてから、気持ちが燃えた。15~20歳なら、自分がボクシングを教えてる子の年齢やし、力になれるんじゃないかと思った」と説明した。

 会長は元兵庫県警の警察官で、退官後は元世界2階級王者の長谷川穂積(34)ら多くのプロボクサーを育成して来た。現時点では、施設の子供たちとボクシングとは切り離した活動になる。山下氏は経験を生かし、今後はジム会長とホームと二足のわらじで力を尽くしていく。

 夫人の千鶴子さん(52)もスタッフとして食事を作るなど支援する。山下氏は「ほんまの自分の子供やと思って、アカンところはバンバン言う。血が通った息子と思って本気になる。いずれは100人くらい、学校くらい大きなものにしたい。一生の仕事。一生で俺の子供が何人できるか。死ぬときにたくさん『オヤジ』って言って集まってくれたら、うれしい」と、生涯をかけた仕事に力を込めた。

 会には約100人が参加し、伊丹市・行沢睦雄副市長、伊丹警察・築添史一署長らが祝辞を述べた。長谷川穂積、西日本ボクシング協会・井岡弘樹会長らも駆け付けた。あいさつに立った長谷川は「入居する1人1人が自分の道を歩めるように、立派な素晴らしいホームになることを願っています」と話した。

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