細川、日本王座再挑戦チャンスつかんだ

 「デイリー後援・ボクシング8回戦」(2日、大阪府立体育会館第2競技場)

 IBF世界スーパーウエルター級9位で前日本同級王者・細川貴之(30)=六島=は、68・5キロ契約ノンタイトル8回戦で、東洋太平洋ウエルター級13位で同級韓国王者の梁正勲に判定3-0(78-75、78-76、77-76)で辛勝した。

 1回から持ち味のトリッキーな動きで相手を翻ろう。中盤も右ジャブを丁寧に突き、左フック、左アッパーで主導権を握った。

 だが7回、左カウンターで相手をぐらつかせると「大振りになった」と欲が出た。ガードが甘くなった顔面にパンチをもらい、逆に防戦一方。必死にリングを逃げ惑い、手数も激減。セコンドから「何やってんねん!」と怒声を受けながら、何とか逃げ切った。

 リング上では「すいませんでした」と、ファンに深々と頭を下げた。試合まで50ラウンドのスパーリングをこなしたが、状態が一向に上がらなかった。「絶不調の流れの上に2週間前に腸炎になった。プロの自覚が足りない」と猛省した。

 絶不調の理由の一つが、昨夏手術した右目網膜裂孔の影響。枝川孝会長からは「目を怖がっている。最後の試合や。引退試合。もう辞めるしかない」と“引退勧告”されていた。勝利で何とか首の皮一枚つながったが会長は「まだ怖がっている。あとは気持ち。ボクシングは結局、メンタルなんやから」と、合格点は与えなかった。

 4月19日には日本同級王者・野中悠樹(渥美)に挑み、判定ドローで王座返り咲きはならなかった。出直しとなる一戦で課題は残したが「勝ったからギリギリ残った。今のままじゃ無理やけど」と会長。6回までの内容を評価し、11月にもタイトル再挑戦チャンスを与える考えだ。

 5月17日に誕生した長女の咲花ちゃんが見守る前で完全復活とはいかなかったが、“引退危機”は回避した。「休む間もなく、すぐ練習する。絶対にもう1回王者になる。前のレベルじゃなく、その上のレベルに到達しないといけない。ボクシングが好き。まだまだ、やりたいので」と細川。ファイトスタイル同様、泥臭く、次戦につなげた。

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