“浪速のタイソン”が前哨戦メーンへ

 ボクシングの六島ジムに所属する日本ミドル級7位・前原太尊康輝(22)、前日本スーパーウェルター級王者・細川貴之(30)が16日、タイトルマッチ前哨戦を8月2日、大阪府立体育会館で行うことを発表し、大阪市内で会見した。

 前日、両選手はスパーリングを行い、前原が先輩の細川を左フック一発で尻もちダウンさせた。枝川孝会長は「きのうを見たら、太尊がメーンかな。右の使い方を勉強して、着実に成長している。細川が先輩で世界ランカーだけど実力の世界。太尊のど派手なKOの後に、細川のしょぼい判定なんか見たくないやろう」と、売り出し中の“浪速のタイソン”をメーンに起用することを示唆した。

 相手は未定ながら74・5キロ契約で8回戦を行う前原は、戦績10戦8勝(8KO)1敗1分けで6戦連続KO勝利中。「昨日の細川さんは何か倒れてた。あららって感じだった。やってきたことを出せた」と自らの成長を実感。初タイトル戦につなげるための重要な次戦に向け、「きっちり倒して勝つ」と7連続KOを誓った。

 ロンドン五輪金メダリスト・村田諒太(29)=帝拳=を追う、ミドルの新鋭・前原には、ジムの総力を挙げて世界ロードを歩ませる。元WBA世界スーパーウェルター級暫定王者・石田順裕(39)=グリーンツダ=に対し、“臨時コーチ”を要請する考えだ。

 会長は「人づてに石田が『俺が教えたら、太尊に世界を獲らせる』と話していたと聞いた。世界であれだけ戦ってきた中量級の元世界王者が付いてくれたら、こんな心強いことはない」と話した。前原は「スパーも何度もやったし、色んなことを教わった。あれだけの実績ある方だし、願ったりかなったり」とラブコールを送った。

 一方の細川も先輩の意地にかけ負けられない。4月19日には日本スーパーウェルター級王座返り咲きを狙ったが、王者・野中悠樹(渥美)に判定負け。再戦の予定だったが王者が盲腸の手術などで次戦の対戦は流れた。出直しとなる一戦は東洋太平洋ウェルター級12位の梁正勲(韓国)が相手。1階級下に落とし、8回戦を行う。

 5月17日に長女の咲花が誕生し、父親になった喜びに浸っていたが、後輩にダウンさせられたショックは大きかった。「後輩に倒されて、自分に気付かされた。子供ができて、ほんまの意味でボクシング1本になってなかった。子供のためにも稼がないかんし、強いお父さんにならないかん。後輩に火を付けられた」と、試合1カ月前に自宅を出て、ジムの寮に住み込むことを決めた。

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