服部海斗さん追悼興行 兄・力斗判定勝ち
慢性骨髄性白血病で2月24日に死去した17歳のプロボクサー・服部海斗さんの追悼興行が7日、所属した大成ジムの地元、兵庫県三田市・三田市総合文化センターで行われた。
追悼式では海斗さんの勇姿をしのぶ映像がリング上のスクリーンに映し出され、父・兼司さん、丸元大成会長がリングに登場。父は「ガキの頃から兄弟でボクシングを始めて、同じリングに立つという約束を守られた日。力斗は海斗とともに戦うので応援してあげてください」とあいさつ。会長が「本来なら、海斗がこの興行で国内デビューする予定だった。海斗は気持ちの強い、人に優しい子だった」としのぶと、追悼の10カウントゴングが鳴らされた。
式の後のセミファイナルに海斗さんの兄・服部力斗(20)=大成=が登場。昨年6月に熊本のジムでデビューしたが、弟の遺志を継ぎ、3月に大成ジムに移籍。ソリミン・ソワノ(インドネシア)とライトフライ級4回戦でフルマークの判定3-0で勝利し、移籍初戦を飾った。
判定がコールされた瞬間、涙は止まらず、会長、父と抱き合った。「弟が亡くなってすぐにこの試合に出ることを決めてから、1回も泣かずに練習も必死に頑張ってきた。弟のこと知らないのに、募金してくれたりフェースブックにコメントくれたりしてくれた人、ありがとうございます。その方たちがいたから、頑張れた」と、頭を下げた。
メーンは昨年12月、17歳23日でWBAアジアミニマム級王座を獲得し、この日が国内デビュー戦となった加納陸(17)=大成。海斗さんとは16歳でともに海外デビューし世界王者を誓い合っていた。
ミニマム級6回戦でインドネシア国内8位のマリホット・フタジュルを相手。1回からスピード、強打で圧倒すると3回、コーナーに追い詰め、左の強打を3連発打ち込み、ぶっ倒した。3回1分30秒KO勝利。
「海斗にもいい報告できるようにしっかり勝つのが目標だった」と、天国の親友の分も拳に込めた。
