帝里木下 再起戦で4年ぶりKO勝ち

 「ボクシング8回戦」(14日、神戸芸術センター)

 IBF世界スーパーフライ級5位で元同級日本王者の帝里(ている)木下(28)が再起戦を2回2分44秒KO勝利で飾った。来年、再び世界獲りへの一歩を踏み出すとともに、現日本同級王者の石田匠(23)=井岡=との対決を熱望した。

 7月、同級王座決定戦でゾラニ・テテ(南アフリカ)に判定0-3で敗れ、初の世界獲りに失敗してから5カ月間。「迷いがあった」と言うが、モヤモヤを断ち切るかのような猛攻だった。

 ブックルック・ゴーナロンサービス(タイ)を相手に1回、的確にワンツーを打ち込みのけぞらせる。様子見の終わった2回、早くも仕留めに行った。

 左ストレートを顔に打ち込みダウンを奪うと、直後にも左を顔に打ち下ろしリングにはわせた。最後はトドメの右フックがアゴを打ち抜き3度目のダウンを奪い、ぶっ倒した。

 これでプロ通算20勝(4KO)1敗1分け。技巧派の印象が強い帝里にしては荒々しいファイトで4年ぶりKO。

 「これまではタイトルがかかっていたので硬くなっていた。楽しく楽にボクシングするというのがテーマだった。前回は本当に情けない試合をして何を目標にしていいか分からず、気持ちも乗ってなかったけど心強い応援があって再起を決意できた」と納得の表情。リング上では「来年、世界を目指して頑張る」と声援に応えた。

 自信を取り戻し、ボクサーとしての本能もよみがえってきた。「日本でも強い人へ挑戦できるチャンスが来たらやりたい。井岡ジムの石田匠選手。若くて勢いがある。スピード、テクニックもレベルが高い。ああいう選手とボクシングをしてみたい」と熱烈ラブコールを送った。

 現在日本同級2位にもランクしており、「いずれ話は来ると思う。来れば受ける」と断言した。石田も近い将来、世界を狙う実力者。屈指のテクニシャン同士の対戦が実現すれば、注目カードとなるのは間違いない。

 8月には第2子となる女の子も生まれた。「癒やしになるし、頑張ろうと思える」とリング上では笑顔で抱っこし勝利に浸った。

 勤務先の神戸ポートタワーホテルではレストランのフロアマネジャー。7月、世界を獲れば2階級特進の係長だったが、もちろん見送られた。「年末は大忙しです。年明けまで休みなし。ずっと皿を洗っています」と嘆き節。来年こそ家族のため王者と係長への昇進を果たす。

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