元日本バンタム級王者・大場が引退表明

 「ボクシング8回戦」(14日、ボディメーカーコロシアム第2競技場)

 元日本バンタム級王者・大場浩平(29)=真正=が14日、現役引退を表明した。相馬圭吾(三迫)を相手に再起戦を戦い判定3‐0で辛くも勝利。試合後に「力が落ちている。試合前から半分くらいダメかと思ったけど、1回を戦った瞬間、ダメと思った。現役を引退する方向。悔いはない」と決断した。

 6勝10敗1分けのノーランカー相手に序盤からロープに追い詰められた。右目の上もカットし流血。左ボディーを打ち、ダメージを与えたが相手の反撃を最後まで止められなかった。技術と経験が僅差で上回り試合には勝ったものの、全盛時のスピードには程遠かった。

 4月のIBF世界バンタム級指名挑戦者決定戦でランディ・カバジェロ(米国)に8回TKOで完敗。引退を表明したものの現役続行への未練を断ち切れなかった。この日の試合を「続けるかどうか決める。落ちてると判断すれば引退宣言する」と位置付け臨んだ。

 「目が徐々に悪くなっていた」とカバジェロ戦で受けたダメージも残っていた。「足が真っすぐ動かないし、もうだませない。反応だけでパンチをよけるのができなくなった。去年、第2次のピークが来てカバジェロ戦の時は力が落ちていた。もう1回、頑張ってやっても、同じ結果になる。普通の選手を相手に普通の試合内容なのは自分が一番感じた」と限界を悟った。

 「40戦もやったし、いいベテラン。結果的にこれが引退試合になった。今後の人生は40年もある。これ以上続けたら、(体が)ダメになる」と、家族のためにも第2の人生に目を向けた。

 試合後は応援してくれた観客に応え、コーナーポストに上り、ガッツポーズ。「名古屋のメイウェザー」と呼ばれた日本屈指のスピードスターは、40戦36勝3敗1分けの成績を残し、グローブをつるす。

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