イチロー、ジーターの“お願い”に応える

 「レッドソックス5-9ヤンキース」(28日、ボストン)

 ヤンキースのイチロー外野手(40)は28日(日本時間29日)、敵地で行われた今季最終戦、レッドソックス戦に「1番・右翼」で出場し、3打数1安打2打点、1得点だった。 試合は、ヤンキースが9‐5で勝った。

 前日に続き、今季限りで引退するデレク・ジーター内野手(40)と1、2番コンビを組んだイチロー。初回の打席は二ゴロだったが、両軍無得点の三回1死二、三塁の好機に右中間三塁打を放ち、2打点を挙げた。続く、ジーターの三塁内野安打で生還。ジーターの現役最後の打席で打点をアシストした。

 「イチローにトリプル(三塁打)を打ってくれ、って言ったんだ」。

 試合後の会見で笑みを浮かべてそう明かしたのはジーターだ。イチローがカウント3‐1からカーブを完璧にとらえて、右中間最深部へ打ち込んだ打球。三塁コーチの指示に従い、滑り込むことなく、三塁に達したイチローは「(ランニングホームランも)行けると思いましたけどね。僕が(三塁に)いてジーターが還すっていう形ができたわけだからそれでいいんじゃないですか」と満足感を漂わせた。

 五回は二ゴロ。その裏の守備で交代し、メジャー14年目のシーズンを終えた。

 メジャー14年目の今季は、開幕当初は控え扱い。しかし、外野陣にけが人が続出し、終わってみれば94試合で先発出場した。

 「(これまで)いろんな経験をしてきて、いくつか自分の支えになっている経験ってあるんですけど、間違いなく、そこに加わる時間だったと思いますね。今後の自分の支えになるシーズンになったと思います」。

 不規則な起用法ながら143試合(94試合先発)に出場。規定打席には届かなかったが、チーム最高打率の・284(359打数102安打)を残し、22打点、42得点、15盗塁を記録した。

 「きょうから162試合やれって言われても僕はできる。去年は『もう1ラウンド(やりたい)』って言ったけど、きょうから162試合やれって言われたってなんの問題もなくできる状態にあるよね」。

 最終戦のこの日も試合前のフィールドに一人出て、日課としているキャッチボール、遠投、そして、ダッシュなどを行ってからプレーボールを迎えた。

 この日の1安打でメジャー通算2844安打。強打の捕手として活躍した“パッジ”こと、イバン・ロドリゲスと並んで歴代46位となった。

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