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イチロー、敵地ファンもため息の美技

2014年4月18日

 レイズ戦の6回、マイヤーズの左翼への鋭い当たりを好捕するヤンキースのイチロー=セントピーターズバーグ(共同)

 レイズ戦の6回、マイヤーズの左翼への鋭い当たりを好捕するヤンキースのイチロー=セントピーターズバーグ(共同)

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 レイズに勝利し、イチロー(31)を迎えるヤンキース・田中将=セントピーターズバーグ(共同)

 「ライト(が目に)が入るのを避けるためです。なるべく長く、低いところまでボールを見られるように」

 そのままの姿勢で打球を追えば、照明の強烈な光が目に入り、見失ってしまう。過去に打球が消えたのは1度や2度じゃない。スライディングしたのは『あえて』ではなく、1つのアウトを確実に取るために『不可欠』だったからだ。

 この日は味方内野陣が二回に三重殺を記録した。無死一、二塁の場面で相手打者が三塁手前へゴロ打球。三塁手のサイズモアが素早く打球を処理し、三塁ベースを踏んでから二塁へ転送。さらに二塁から一塁へ転送され、一瞬にしてピンチを切り抜けた。

 ヤンキースの三重殺は昨年4月12日の対オリオールズ戦以来。ただし、前回は挟殺プレーで完結したあって、外野の守備位置から一連の流れを見ていたイチローは「今日みたいなのは気持ちいいよね」と笑顔で言った。

 チームは前夜のカブス戦の後、ニューヨークからタンパへ移動。敵地に到着したのは午前3時だった。前日に続いて先発で起用されたイチロー。2試合連続でラインアップに名を連ねたのは今月3、4日以来、約2週間ぶりのことだ。

 ヤンキースの外野手は、エルズベリー、ベルトラン、ガードナーのレギュラー3人にイチローとソリアーノを加えた5人がいる。選手の体調や対戦相手などによって起用法はさまざまだ。

 「プレーする上で心掛けていることは?」

 そう問われたイチローは少し考えてからこう答えた。

 「特別意識することはないですよ。普通にやればいい」。

 自然体。最高のパフォーマンスをするためにしっかり準備し、フィールドに立てば五感を研ぎ澄まし、自分のやるべきことをやる‐。この日見せた六回のスライディングキャッチにイチローの姿勢が凝縮されている。

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