今井雅之さん遺作映画、奈良橋監督が涙

 昨年5月に亡くなった俳優の今井雅之さんが企画・脚本を手がけた遺作映画「手をつないでかえろうよ シャングリラの向こうで」(28日公開)の先行上映会が20日、大阪市内で行われ、今井さんに代わって主演を務めた川平慈英、奈良橋陽子監督らが舞台あいさつを行った。

 今井さんが若手時代から母親のように慕った奈良橋監督は、一昨年の秋に今井さんから作品監督の依頼と同時に、病状が厳しいことを伝えられたことを回顧。作品には今井さんの仲間だった中居正広、別所哲也らが出演し「雅之を大好きな方々が是非と言ってくださり、皆さんのおかげで完成しました」と感謝した。

 「桜のシーンを撮った時には雅之も一緒に現場にいたんです」と紹介。今井さんの盟友の川平に代役主演を託した経緯に触れ「雅之がやる役を慈英に。弟のような人だから、雅之も…」と語るうちに涙声になり、「ごめんなさい、泣かないようにしようと思ったのに」と言葉を詰まらせた。

 デビュー当時から今井さんと友情で結ばれていた川平は「まーちゃんの代わりが僕でなかったら、相当悔しかったと思います。一緒に歩んできた役者としての生きざまを見せろと言われてるような気がして、魂を受け継ぎました」と語った。

 作品は今井さんの命日に公開となる。

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