木村拓哉 恩人蜷川さんとの別れに涙

 12日に肺炎による多臓器不全のため死去した演出家の蜷川幸雄さん(享年80)の通夜が15日午後6時から東京・青山葬儀所で営まれ、吉田鋼太郎、藤原竜也、小栗旬、堤真一、寺島しのぶ、宮沢りえ、内野聖陽、SMAPの木村拓哉ら多くの芸能人や関係者1200人、ファン400人、のべ1600人が参列した。

 この日は午後5時5分ごろ到着。蜷川氏の遺影が置かれた祭壇を後にした木村は、報道陣の前に姿を見せると一礼。沈痛な面持ちで、言葉を発することはなかったが、茶色い色がついたメガネの奥の瞳は潤んでいた。斎場を離れる際には鼻をすすりながら、涙ぐむ姿が見られた。

 木村はSMAPがCDデビュー前だった1989年に蜷川さんが演出した舞台「盲導犬」に起用された。本格的な芝居は初めてとなった作品で、厳しい指導を受けた。昨年1月にはラジオで、蜷川氏との出会いがなければ、多分、今の自分はなかったと、恩人への感謝を語っていた。

 訃報を受け、「ものすごく悔しいです。自分が今あるのも、当時右も左も分からなかった自分に『人から拍手してもらえる厳しさとすばらしさ』を教えていただけたからだと思います」と追悼のコメントを寄せていた。

 ジャニーズからは木村の後、V6の森田剛、三宅健、KAT-TUNの亀梨和也、上田竜也が揃って、その後、東山紀之も姿を見せた。

 祭壇は赤いバラと白い花で彩られた。遺影は昨年9月に「NINAGAWA マクベス」を公演した際に、長女で写真家、映画監督の蜷川実花氏が撮影したもの。柔らかくほほ笑む蜷川氏のバックには、セットの赤い月が浮かび上がった印象的な1枚だ。

 通夜を前に取材に応じた実花氏は「マクベスは父を象徴する作品。あの写真は遺影になるかなと思いながら撮影した。父もかっこいいと喜んでくれると思う」と話した。

 ▼主な参列者(順不同、敬称略)

 北大路欣也、松本幸四郎、藤原竜也、小栗旬、堤真一、寺島しのぶ、宮沢りえ、内野聖陽、阿部寛、谷原章介、木村拓哉、吉田鋼太郎、松たか子、鈴木京香、長谷川博己、前田敦子、尾上松也、名取裕子、中島朋子、多部未華子、高橋恵子、菅野美穂、東山紀之、木村佳乃、鹿賀丈史、岡田将生、森田剛、三宅健、亀梨和也、上田竜也、唐十郎、田原総一朗

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