国谷キャスター降板 23年間番組の顔
NHKが17日、放送総局長会見を開いた。板野裕爾放送総局長は、「クローズアップ現代」のリニューアルに伴い国谷裕子キャスター(59)が番組から外れたことについて「そういう時期が来たと理解しております」と説明した。
「クローズアップ現代」は、今年4月から「クローズアップ現代+」に衣替えされ、放送時間も月曜から木曜の午後7時30分開始から、同午後10時開始に変更される。日替わりで7人の女性キャスターが出演する形となるが、国谷キャスターは外れた。
今回の国谷キャスター降板について、板野放送総局長は「23年間積み重ねてきたノウハウを、さらにわれわれが新しい形にして出していきたい」と理由を説明した。
23年前の放送当初からキャスターを務めていることについて「『クロ現』といえば国谷さんと言われる看板番組だった。われわれのドキュメンタリーを代表する番組であったと思います。あらためて感謝申し上げたい」と敬意を表すと同時に「国谷さんとして、新しいことをジャーナリストとしておやりになると思います。そういう時期が来たと理解しております」と語った。
また、4月以降、国谷キャスターの他番組の出演については「長期にわたるものはないと聞いております」とした。
「クロ現+」のコンセプトについては、既婚、独身など環境がそれぞれ違う7人のキャスターを配置し、「複雑化して変化のスピードが速くなった」現代社会に対応するとした。「女性のキャスターの視点を織り交ぜながら記者、解説委員、外部のゲストの方々から新しい切り口で提示する」「明日の仕事につながるような話題を、明くる日の活力につながるものを提供していきたい」とも意気込んだ。
キャスター全員が女性であることには、別の担当者が「23年前にクローズアップ現代が始まった当初も、男性キャスターが多かった。女性がああいった番組を仕切っていくという改革をしてきた23年間でした。名前を引き継ぐ中には先人が積み上げたものを発展していくという思いもあります」と説明した。
