号泣県議に裁判所はできる限りの配慮

 政務活動費をめぐる不自然な支出が発覚し、詐欺などの罪に問われた“号泣県議”こと野々村竜太郎被告(49)=在宅起訴=が先週に神戸地裁で開かれるはずだった初公判をドタキャンした。理由は「家を出ようとしたところ報道関係者に遭遇しパニック状態になった」というもの。次回以降、裁判所はどう対応するのか。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士は「野々村被告が出廷できるようできる限りの配慮をするだろう」との見通しを示した。

 北村弁護士は「裁判当日に報道関係者が自宅に取材に来ることは、野々村被告としては予測可能だったはず。そのことを弁護士にあらかじめ相談していれば、裁判所は一定の配慮をしてくれただろう」と述べ、初公判の段階においてもドタキャンを避けることができた可能性を指摘した。

 配慮とは、例えば公判の前夜に裁判所近くのホテルに宿泊し、目立たない通用門から裁判所に入らせることなどを指す。

 野々村被告の不正が発覚したのは昨年6月。その後、報道関係者は複数回、同被告の自宅に取材に行っている。そのことからも、同被告が初公判当日の取材を予測することは十分に可能であり、弁護人に相談することはできた。

 次回以降はどうなるのか。北村弁護士によると、裁判所は同被告に出頭させるため弁護人に促して同被告ができる限り報道陣と会わずに済むように配慮することが考えられるという。弁護人としてはその上で「次回は大丈夫」と裁判所に伝え、期日に備えることになる。

 しかし、それでも野々村被告が公判当日に来なかったら。

 北村弁護士は「身柄を勾引することができる」と述べた。勾引とは、裁判が開かれる期日に被告の身柄を確保すること。裁判所が警察に命じて身柄を引っ張り、強制的に出廷させる。ただ、この手段に訴えるに当たって「何回、出廷しなければ」という決まりはない。

 野々村被告は不正発覚後に議員辞職し、受け取った政務活動費を全額返還した。北村弁護士は「詐欺罪で全額弁済していれば実刑の可能性は極めて低い。大抵は執行猶予」と述べた。また、出廷しなかったことが直ちに量刑に影響するかどうかは「簡単には言えない」とした。

 野々村被告には政務活動費の実態を図らずも暴いた“功績”もある。現状は執行猶予の見通しができ、次回こそは堂々と出廷することが求められる。

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 北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツを中心としたメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(https://www.tama-project.com/mailmagazin/)」を配信中。

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