今年の世相を反映する「２０１５ユーキャン新語・流行語大賞」が１日、発表され、東京五輪のエンブレム盗作騒動が発端となった「エンブレム」がトップテンに入賞した。表彰式では、選考委員の１人である漫画家のやくみつる氏が、旧エンブレムのデザイナー・佐野研二郎氏を念頭におき、「ぜひこちらに出てきていただいて、ここで検証して…」と来場を呼び掛けた。

　大賞は「トリプルスリー」「爆買い」。トップテンはほかに、「アベ政治を許さない」「安心して下さい、穿いてますよ。」「一億総活躍社会」「エンブレム」「五郎丸（ポーズ）」「ＳＥＡＬＤｓ」「ドローン」「まいにち、修造！」が選ばれた。

　やく氏は壇上で「図らずも負のイメージで受賞された場合もございますが…」と切り出し、「本来、そういう方もどうぞこちらに来ていただいて、ここで検証して、チャラにしてもらうということもあると思う」「負の言葉でノミネートされてしまった方もここへ来て…。例えばエンブレムでもぜひ、出てきていただければ」と佐野氏の名前こそ出さなかったものの、明らかに佐野氏を意識したあいさつ。

　佐野氏がエンブレム発表の記者会見時に報道陣の前で披露した、指を上に突き上げるポーズを真似て、来場を呼びかけた。

　そして注目の「エンブレム」の表彰では新たにエンブレムを選定する「準備会」のメンバーである夏野剛氏（慶大大学院特別招聘教授）が出席。第一声で「佐野さんじゃなくて申し訳ありません」とブラックジョークを飛ばし会場の笑いを誘った。現在、新エンブレムはデザインを公募中。夏野氏は「負の言葉で受賞しましたが、来年、２年連続受賞を。いいエンブレムで受賞したい」と宣言した。