北村弁護士 司法試験漏えい事件で提言

 司法試験の漏えい事件で、明治大学法科大学院の青柳幸一教授(67)が教え子だった20代女性受験生に出題内容を教え、東京地検特捜部は国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで捜査をすすめている。同教授は司法試験の問題を作成する考査委員で、立場を悪用した行為に大きな批判が上がった。テレビ番組「行列のできる法律相談所」などで知られる北村晴男弁護士は「けしからん事態」と怒りをにじませ、再発防止策を提言した。

 北村弁護士は「けしからんこと。司法試験受験者はみんな必死。問題を教えてもらえるなんて誰も思ってもいない。私は人一倍苦労したからよく分かる」と青柳氏の行為を強く批判した。

 漏えい問題は、当該受験生の答案が「完成度が極めて高かった」ことから発覚。「漏えいがないと作成が困難な答案」だったと採点者が不審に思った。司法試験の論文模擬試験の採点経験を持つ北村弁護士は「素晴らしく優秀な答案というのはある」とした上で、「しかし、この受験生の答案はそのレベルを超えて出題者が書いたような答案だったのだろう。(問題を漏えいした側の)油断があり、そういう意味では稚拙だし、よほど憲法で高得点が欲しく、他の科目に自信がなかったもの」と指摘した。

 再発防止策として北村弁護士は、考査委員の任期期間の短縮をあげた。青柳氏が2002年から務めていることを問題視し、「長すぎたことの弊害と言えるだろう。誰でもどんな組織の人でも就任直後は襟を正す。長く続けるとゆるみが出る。期間を短くすることは一つの方法」と提言した。

 加えてもう一つの方法として北村弁護士は「個人的に好意を持った女性を優遇するようなモラルの低い教授を教壇から排除しなければならない。女性からも迷惑なことになる」と教授の選び方についても苦言を呈した。ただ、日本社会においてはなれ合い体質、事なかれ主義が横行。同僚同士の批判は難しいとも言える。北村弁護士はその点を鑑みて「大学側、大人の側ができないなら学生による教員の評価を大切にすべき。学生はバカじゃない。厳しくても情熱があって優秀な教授を選ぶ。甘いだけで選ばない。学生の評価をフィードバックする制度を一刻も早く導入すべき」と訴えた。

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 北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツを中心としたメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(https://www.tama-project.com/mailmagazin/)」を配信中。

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