萩原さん死亡事故 北村弁護士に聞く

 東京都杉並区で4月、俳優萩原流行(本名萩原光男)さん=当時(62)=が大型バイクで転倒し死亡した事故で、警視庁は10日、自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで、直前に車線変更した護送車を運転していた同庁の男性警部補(56)を書類送検した。人が1人亡くなった事故から4カ月。逮捕・勾留がない書類送検で甘くないのか、時間がかかり過ぎではないのか、今後の行方はどうなるのかなど、日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に聞いた。

 【書類送検】

 警察は警部補を逮捕・勾留せず、書類送検との判断を示した。身内に甘いのでは、とも思える。北村弁護士によると逮捕して身柄を拘束する理由は(1)逃亡の恐れがある(2)証拠隠滅(口裏合わせを含む)の恐れがある場合の2つ。北村弁護士は「現時点で、例えば警部補が全面自供しており、定職にも就いていることから、目撃者を脅して自分に有利な証言をさせて口裏合わせする恐れや逃亡の恐れはないだろうと判断したのでは」と指摘。

 また、交通事故であれば「死亡事故でもひき逃げであるとか、信号無視であるとか、飲酒していることが認められる場合でなければ一般的に逮捕・勾留はしない」という。ただ、事故直後で被疑者の身元がよく分からない場合にはいったん逮捕して調べることはある。

 ただ、北村弁護士はその他の事件については「一般の人に対して警察が、身内の事件と同様に公平に判断するかというと、疑問はないではない」と付け加えた。

 【発生から4カ月】

 事故が起こったのが4月22日。書類送検までに4カ月以上かかった。もっと早い判断はできなかったのか。これについて北村弁護士は、現場検証を経て事故の状況を正確に裏付けすることに手間取る場合もあると指摘。「ケースによっては、特に交通事故以外の過失事故においては6カ月から1年かかることもある。とりたてて遅いとは言えないが目撃情報を集めて、もう少し早くても良かったかもしれない」と述べた。

 【今後の見通し】

 今後はどういった流れになるのか。まずは起訴か不起訴かという点について北村弁護士は「人が亡くなったという結果は重大。不起訴はないだろう」とした。執行猶予となる可能性については2要件をあげ、例えば(1)警部補に交通前科ならびに交通違反もなく、(2)遺族との示談が成立して処罰感情がないとなれば執行猶予もあり得るという。

 事故を巡っては萩原さんの妻・まゆ美さんが警察に不信感を持っており、(2)を満たすのは現時点では難しい。従って罰金か禁錮かいずれかに決着するとみられる。法律では「7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金」と規定されている。

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 北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツを中心としたメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(https://www.tama-project.com/mailmagazin/)」を配信中。

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