中村梅玉 刀剣ガールに呼び掛け

 歌舞伎俳優の中村梅玉(69)が4日、東京・代々木の刀剣博物館で行われた国立劇場9月文楽、10月歌舞伎公演の合同取材会に登場した。文楽と歌舞伎で同じ演目「伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」を続けて上演するという同劇場ならではの趣向で、梅玉は10月の歌舞伎公演で主人公・福岡貢を演じる。

 「伊勢音頭-」では“青江下坂”と呼ばれる刀が軸となって物語が進む。これにちなんで、公演期間中には同劇場のロビーに“青江下坂”のモデルとなった“葵紋康継”を公益財団法人日本美術刀剣保存協会から借り受け展示することになっている。梅玉は妖刀と呼ばれた“青江下坂”に操られ、殺しを繰り返す役回りだが、この日は実際に刃渡り71センチの“葵紋康継”を目の当たりにし「舞台では小道具を使うけど、刀を持っている所では妖刀であることを体で感じられるようにしていきたい」と力強く抱負を述べた。

 梅玉は福岡貢役を「自分が大切にしている役でトップぐらい」だという。1992年の梅玉襲名披露公演で同役を演じ、さらに「(2004年に)成田屋さん、團十郎さんが最初に倒れた時に代役をやったんです。海老蔵さんの襲名披露の時でした。團十郎さんとは同級生で小さいころから仲がよかったんですよ」と意外なエピソードも披露した。

 取材会には9月文楽公演(5日初日)で福岡貢の人形を使う吉田和生氏も出席した。

 歌舞伎公演は10月3日から27日まで同劇場で行われるが、流行に敏感な梅玉らしく「最近は刀剣ブームで“刀剣ガール”もいるらしいですね。この演目は刀が主役。普段歌舞伎に興味のない方でも刀剣に興味のある方はぜひ劇場に足を運んでください」とアピール。そのうえで「刀剣ガールを意識したメッセージはしません。それをしちゃうとダメです。構えて芝居を見ちゃいますから。劇場に来て(歌舞伎の)雰囲気だけでも。それで嫌いになったら、それで結構です」と話した。

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