又吉「芸人、文章どっちも僕には必要」
第153回芥川賞・直木賞」の贈呈式が21日、都内のホテルで行われ、「火花」で芥川賞を受賞した又吉直樹が出席。猫背ぎみにあいさつに立つと、「えー、すみません」と恐縮したように第一声。受賞後は「芸人と作家」どちらの道を進むか聞かれることが多いことを明かし、「芸人100%でいきます、それ以外で文章書きます、というのは、どっちが上ではなくて、どっちも僕には必要と考えてます」と改めて、お笑いと作家の兼業を続けることを明言した。
【以下、贈呈式でのあいさつほぼ全文】
(薄いグレー系のダブルのジャケット、濃いグレーのネクタイ、くるぶしが見えるくらいの9分丈のパンツ)
「えー、(コホコホと咳払いし)、すみません。『文学界』2月号に火花を発表させて頂いて、増刷になってビックリしたんですけど、普段お笑いライブやったときに1万人、2万人と人数集めることはできないんですよ(やや苦笑い)
普段は小説読まないけど、いつか読みたいな、なかなか手に取る機会がない、という人がそれだけいたというのがうれしかったです。
火花がより多くの人に読んで頂けて、よく、『芸人と作家どっちや』と聞かれることが多いんですけど。芸人の若手の頃、仕事がなく、バイトの面接も受かるタイプでなくて、生活苦しかったんですけど。吉本の社員さんに、書くのが好きならとコラムを書かしてもらったりとか、チャンスをもらって2009年にせきしろさんと(共著で)エッセーを出版できて。芸人としても自分が書いたもんが本になったと大きな自信につながりました。
芸人100%でいきます、それ以外で文章書きます、というのは、どっちが上ではなくて、どっちも僕には必要と考えてます。
(芥川賞の)候補作になった時から、『次どうすんねん』と、『すごいプレッシャー感じるでしょ』と言われて、最初の何日からゲエはきそうでしたけど。そもそも仕事がなかったときが長かったので、表現する場所を与えてもらってるので、うれしく思ってます。
芥川賞をもらって次に書かないのは失礼。面白いものを書きたい。皆さんに読んでもらって、率直な感想もらえると励みになります。ありがとうございます」
