声帯摘出のつんく♂始球式で笑顔

 喉頭がんのため昨年10月に声帯を全摘出した音楽プロデューサーのつんく♂(46)が3日、東京ドームで行われた「楽天-日本ハム」で始球式を行った。つんく♂が公の場に姿を見せるのは、声帯摘出を公表した4月4日の母校・近畿大学での入学式以来3カ月ぶり。

 声帯摘出の手術痕を隠すように、首にクリーム色のストールを巻き、短パン、ゴールドのスニーカーで登場。つんく(29)を数字でもじった背番号「29 TSUNKU♂」のユニホームで登場した。

 マウンドまで手を振りながら、小走りで駆け上がると、バッターボックスに立った楽天・松井稼頭央選手と向き合った。ノーワインドアップからオーバーハンドで投げた直球は、ノーバウンドで捕手のキャッチャーミットに収まり、空振りを奪った。日本ハムの中田翔選手もベンチから拍手を送った。

 大きな拍手に迎えられ、投球後は満足そうに笑顔で手を振るつんく♂を、楽天の三木谷浩史オーナーがマウンド途中まで出迎え、抱き合って喜んだ。つんく♂は、グラウンドから降りる際にはガッツポーズも披露した。

 つんく♂は楽天の公式応援歌「THEマンパワー!!!」「LET,S GO楽天イーグルス」「ダイスキ楽天イーグルス」「越えろ!楽天イーグルス」を作詞・作曲するなど、球団創設時から関わりが深いが、今回は三木谷オーナーの依頼によるもの。

 4月に母校・近大の入学式で大型スクリーンを使って新入生にメッセージを送ったつんく♂の姿に感銘を受けた同オーナーは、投球後のつんく♂と抱き合い、堅い握手をかわしていた。

 つんく♂は昨年9月25日に一度はがんが「完全寛解」と発表したが、10月17日に再発を発表。今年4月4日の近大での入学式で、昨年10月に声帯を摘出したことを公表した。今年1月からはキックボクシングを習い始め、体を鍛えているほか、始球式に備え、長男(7)とキャッチボールをしたことなどを明かしている。

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