ももクロ弟分・超特急の異色戦略

 ももいろクローバーZの“弟分”は、何か変だ。グループ名は超特急。一見すると、イケメン7人組の正統派だが、あえて言えば「カッコダサい」のだ。大きな特徴は「メインダンサー&バックボーカルの“逆EXILE”パフォーマンス」と「全面的に強調される“非アイドル”」の2点。異色のスタイルができあがる過程をスタッフに取材すると、見えてきたのは「隙間産業」の徹底だった。

 (1)逆EXILE

 ライブを見ると、ボーカルがどこにいるのか分からないことがある。5人のダンサーがパフォーマンスする脇に、隠れるようにしてボーカル2人が配置されているからだ。

 結成は2011年。ももクロと同じ大手芸能事務所・スターダストプロモーションに所属する7人組だ。その名の通り「電車」をモチーフにしており、メンバーには号車番号が振られ、ファンを「8号車」の愛称で呼ぶ。

 12年の初ライブが分岐点。ボーカルをセンターに配した“通常”のスタイルでパフォーマンスしたが、ボーカルとダンサーの踊りが合わず、それならばと“劇薬”を投入した。ももクロも育てたプロデューサーが「ボーカルとダンサーの立ち位置を逆にしよう」と提案。既成概念をぶちこわし「ダンサーがメーンなんて、世界的にもいないんじゃない?」とノリで決まったという。

 以降、ボーカルは陰の存在に。デビュー当時はボーカル2人が関西圏に住んでいたこともあり、平日夜にはボーカルのいる場所にパネルを置き、ダンサーだけでライブしたこともある。関係者は「何があってもボーカルがこれ以上、目立つことはありません」と笑いながら断言。ボーカルの1号車・コーイチと7号車・タカシは「悔しかったですよ。それはあかんよ、と思いましたよ」と声をそろえるが、今では他と一線を画す個性になった。

 (2)非アイドル

 プロフィールやCDには、あえて「非アイドル」と入れている。最初は、関係者いわく「普通にCDを出したら、アイドルコーナーに置かれ、埋もれてしまう。“非アイドル”と書けば、インパクトでCDも目立ち、J-POPのコーナーに置いてもらえるかもしれない」との狙いがあった。

 この“目立つ場所を狙う”“混んでるところは回避する”が超特急を貫く哲学だ。同関係者は「誰もやらないだろう、というところを狙っていく。隙間産業です」と明かす。2枚目のCDまでは王道のカッコいいアーティストを目指していたが、ライブでの集客に限界を感じて方向転換。ダンスにあえてダサいフリを入れるなど「おかしなことをやってやろう精神」を取り入れるようにして、じわじわ人気を獲得していった。

 非アイドルと銘打ったことで、ダサさを追及していくことに抵抗がなかったことも大きいという。5号車のユーキは「ツッコミどころ、ダサさを極めていきたい」と本気だ。

 楽曲も「カラオケで歌いづらいように作る」ことを決めている。その心は「歌いやすい曲を作っている人はたくさんいるから」とスタッフの1人。実にブレがない。

 あえて「非アイドル」と銘打って「歌いづらい曲」を「主流と逆のフォーメーション」で「ダサく」パフォーマンスする。異色のスタイルは「隙間産業」を突き詰めた結果だ。ももクロも、アイドルらしからぬ趣向を凝らした企画でファンを楽しませてきただけに“姉弟”のDNAとも言えるだろう。

 7月20日からは全国ツアーがスタート。秋には主演映画も公開される。少しずつ認知度を上げており、いつか「カッコダサい」が主流となる時代も来る…かもしれない。

(デイリースポーツ・古宮正崇)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス