俳優・市村正親（６５）が早期の胃がんを診断されたことが２７日、発表された。出演中のミュージカル「ミス・サイゴン」（東京・帝国劇場）は２７日の公演をもって降板し、代役は筧利夫、駒田一が務める。近日中に入院し、腹腔鏡手術を受ける。２週間で退院し、自宅療養に入るという。

　所属事務所のホリプロによると、６月下旬に体調不良のため病院へ行ったところ、急性胃炎と診断され、入院。その後、念のためにと受けた検査で胃に腫瘍が見つかり、悪性腫瘍と診断された。「ミス・サイゴン」の舞台は２７日まで出演していたが、同日をもって降板となる。

　１１月からのミュージカル「モーツァルト！」には出演するという。

　市村は２７日、東宝を通じてコメントを発表「今のわたしの夢は、再びお客様の前でこの曲（『アメリカン・ドリーム』）を歌うことです」と復帰への強い思いをにじませた。

　市村にとって同ミュージカルは、２２年前の日本初演で、エンジニアという役をもらい、「俳優人生の転機となった作品」というほど、思い入れの強い舞台。

　当たり役となった舞台を降板することに市村は「一番悔しいことは、共に作品を作り上げるために稽古場で闘ったスタッフ及びキャストに迷惑をかけることです」と、心苦しい思いを吐露。「わたしは治療に専念しますが、『ミス・サイゴン』のスピリットは変わることなく、頼りになる仲間たちによって毎日素晴らしいパフォーマンスが繰り広げられます」と伝えた。

　市村は０５年に女優・篠原涼子と結婚。０８年５月に長男が、１２年２月に第２子となる次男が誕生している。