号泣県議 議会事務局の説明要請を拒否

 兵庫県議会の野々村竜太郎議員(47)が、過去3年間に345回もの日帰り出張費(計約800万円)を政務活動費から支出していた問題で、これまでに少なくとも2度、不自然な申請内容に対し、議会事務局から活動内容を明示するよう要請を受けていたことが4日、分かった。しかし野々村氏は応じず、結局、運用ルール的には明記義務がないことから政活費として支払われたという。

 野々村氏は“壮絶号泣”が話題となった1日の釈明会見で、「要請陳情等活動費」として申請した日帰り出張の訪問先は、全て相手との約束で明かせない旨の説明を繰り返し、依然として使途は不明のまま。

 同県議会事務局によると、運用ルールでは、議員の視察費など「調査研究費」は目的・訪問先の明記が必要だが、今回問題となっている、住民相談などにかかる「要請陳情等活動費」は面会相手への配慮が必要なケースがあるため、具体的な活動内容の明記義務はなく、日付、訪問地域、費用を明記すれば申請可能だという。

 ただ関係者によると、議員活動の性格上、ルーティーン的な近郊訪問で1000円程度の電車代を「要請陳情‐」として申請する議員は多いが、野々村氏のケースは東京、福岡、兵庫県の城崎温泉など遠方ばかり。回数、金額とも膨大なため、2013年度を含め少なくとも過去2回、議会事務局が可能な範囲で活動内容や訪問相手を明記するよう求め、申請書類を返したという。

 一般企業における精算伝票の“突き返し”に似た問い合わせが行われた格好だが、野々村氏はこれに応じず、同じ書類内容で再び申請。結局、これ以上は事務局レベルでは要求することができず、処理されたという。

 野々村氏は、これらの日帰り出張時の、新幹線や特急列車料金の領収書も添付していないが、運用ルールに「自動券売機で領収書が発行されない場合」「緊急の場合」など、領収書添付を“免除”する例外規定があり、これが適用されているという。

 当該ルールは形式的には県議会議長の承認を受け運用。実情は各会派の「代表者会議」の協議で取り決め、定期的な見直しは行っているが“内部規定”の色合いが強い。改正するためには知事も関与できない性格のものとなっている。

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