島倉千代子さん告別式BGMにヒット曲
8日に肝臓がんのため75歳で亡くなった歌手・島倉千代子さんの葬儀・告別式が14日、東京・青山葬儀所で行われた。
祭壇には島倉さんが気に入っていたという2011年1月28日に都内のスタジオで撮影された遺影が飾られた。祭壇は遺影に使用した写真で着用した着物の襟合わせをイメージして高さ3・4メートル、幅1・6メートルに作られた。島倉さんが好きだった淡い紫色と白をあしらい、りんどう、からたち、コスモス、カーネーション、ガーベラ、コチョウラン、バラ、カスミ草、アスター、ユリなどの花計1万8000本が飾られた。
島倉さんが生前愛用していたマイクと1999年に受賞した「紫綬褒章」も飾られた。
BGMには、島倉さんのヒット曲から「この世の花」「りんどう峠」「からたち日記」「愛のさざなみ」「夕焼けの歌」「鳳仙花」「夢飾り」「あの頃にとどけ」「ちよこまち」「愛するあなたへの手紙」の計10曲が流された。
告別式前、島倉さんの肉声が流された。11月5日、島倉さんの自宅で60周年記念曲「からたちの小径」を録音した際に話した言葉で、島倉さんはかすれた弱々しい声で「できる限りの声で歌いました。自分の人生の最後にこうした風景を見られて幸せです」とメッセージを送った。直後に会場に「からたちの小径」が流され、涙を流して聴き入る人もいた。
会葬者には遺影と同じ写真を添えた礼状が渡された。礼状には島倉さんが好きだった紫色の台紙に、お墓にも入っている島倉さん直筆の「こころ」の文字が記された。「こころ」は島倉さんが生前、一番大切にしていた言葉で、昨年の夏ごろ書いたものだという。