宮崎氏、監督になって良かったことない

引退会見で心境を語る宮崎駿監督=東京・吉祥寺第一ホテル(撮影・開出 牧)
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 今月1日に、現在公開中の最新作「風立ちぬ」を最後に引退の意向を表明した宮崎駿監督(72)が6日、都内で会見を開いた。

 無数のフラッシュを受け着席した宮崎監督は「僕は何度も『辞める』といって騒ぎを起こしてきた人間ですので、『どうせまただろう』と思われていると思いますが…今回は…あの…本気です」と正式に引退を表明した。会見場に集まった報道陣から大きな笑いが起き、自身も思わず照れ笑いを浮かべ、左手で頭をかいた。

 会見の後半で、映画監督になって良かったことはと聞かれた宮崎監督は「一度もない」と回答。アニメーターになって良かったことなら何度かあるといい、「いい風が描けたとか、いい水の動きが描けたという時には、アニメーターはそれだけで2、3日は、少なくとも2、3時間は幸せな気分に浸れる」と述べた。それに比べて監督業は「最後に判決を待たなければいけない」と話し、商業的な成功を問われることへの厳しさについて語った。

 最後の最後に一言を求められると、「こんなにたくさんの方が集まってくださるとは思っていなかった。長い間、大変お世話になりました。こんなことは二度とありません」とあいさつ。報道陣から大きな拍手がわき起こり、宮崎監督は会見場を後にした。

 会見は「じっくりやる」「何でも聞いて」という方針で行われ、約1時間40分にわたって終始和やかに行われた。

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