歌舞伎俳優市川團十郎（本名堀越夏雄＝ほりこし・なつお）さんが３日午後９時５９分、肺炎のため東京都港区の病院で死去した。６６歳。東京都出身。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。長男は歌舞伎俳優の市川海老蔵。

　悲報から一夜明け、東京・目黒区の自宅には、尾上菊五郎、市川染五郎、中村獅童、市川中車（香川照之）ら歌舞伎俳優をはじめ、小泉純一郎元首相、森喜朗元首相らが弔問に訪れた。

　獅童は、「びっくりしました。いつも優しくしていただいて」と突然の死を悼み、「おおらかで優しい人でした」としのんだ。

　海老蔵がこの日朝、自宅前で思い出を語ったように、「だれにでも優しく、平等だった」團十郎さん。獅童も「つきっきりで教えていただいて。できの悪い弟子でしたが、イライラすることなくおおらかで…」と浅草歌舞伎で「毛抜」を指導してもらった際の思い出を明かした。

　また、「偉大な先輩でたくさんのことを教えていただいたので、ありがとうございました、これからも歌舞伎界を見守ってください、と伝えました」と話した。

　團十郎さんは昨年１２月の京都・南座の公演途中から休演し、歌舞伎座出演に向け療養中だったが、１月半ばに容体が悪化、最期は家族がみとったという。この日午前８時半ごろ、自宅前で報道陣の取材に応対した海老蔵は「周りの人を思う優しい人でした」としのんだ。