【舩越園子の目】松山に配慮した気遣い

 「米男子ゴルフ・マスターズ・第2日」(8日、オーガスタナショナルGC=パー72)

 難しい風のせいで全体的に進行が遅かった2日目。松山英樹らが18番ティーで待っていたときだった。17番グリーンの横に、大きなリーダーボードがある。最上段にはジョーダン・スピース、その下方にはスピースと同組のアマチュア、ブライソン・デシャンボーの名前があり、そのとき2人は18番グリーンでパットしていた。

 オーガスタのリーダーボードは手動だ。スピースの18番の欄に赤い4の数字が入れられた。それは18番でバーディーが奪えず、4アンダーで終えたことを示し、人々は一斉に溜め息混じりの「オー」の声を上げた。

 しかし、通算3アンダーの2位で18番を迎えたデシャンボーの欄には数字がなかなか入らず、ティーからボードを眺めていた松山らはそれを見ずしてティーショットを打った。打ち終わった直後にデシャンボーの欄に緑色の「0」の数字。トリプルボギーを喫したわけだが、「0」をボードに入れれば間違いなく観衆がどよめき、18番のティーショットの邪魔になる。だからボード係はあえて「0」を入れるタイミングを待っていたのだ。

 選手たちに対する小さな気遣いが感じられた小さな出来事。手動のリーダーボードには、独特の味わいがある。(在米ゴルフジャーナリスト)

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