“佐野騒動”を教訓に制作者匿名も議論

 20年東京五輪・パラリンピック組織委員会は29日、都内で白紙撤回となった大会エンブレムを新たに選定するためのエンブレム委員会第1回会合を開催した。委員会にはプロ野球の王貞治氏らがメンバーとして参加し、様々な論点について意見を交わした。

 論点の一つには「当選者の氏名公表の有無をどのように定めるのか」というものもあり、制作者の氏名を公表するかどうかも議論された。

 前回の選定の際には制作者の佐野研二郎氏に“盗作疑惑”が持ち上がり、最終的には「自宅や実家、事務所にメディアの取材が昼夜問わず来ています。私個人の会社のメールアドレスがネット上で話題にされ、様々なオンラインアカウントに無断で登録され、毎日、誹謗中傷のメールが送られ、記憶にないショッピングサイトやSNSから入会確認のメールが届きます。自分のみならず、家族や無関係の親族の写真もネット上にさらされるなどのプライバシー侵害もあり、異常な状況が続いています」と、誹謗中傷にさらされ、制作したエンブレムの取り下げに応じた。

 エンブレム委員会の前に開催された準備会では「前回の選考の顛末(てんまつ)を踏まえると、当選者が匿名を希望するケースが考えられるのではないか」という意見があり、この日の委員会で議論。結論は出なかったが、組織委によると「コンセンサスを得たわけではないが、当選した方の判断に任せた方がいいのではという意見が多かった」という。

 10月中に応募要項を決定。来春の発表に向けて、準備を進めていく。

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