羽生 涙にじませ「本当に申し訳ない」
「フィギュアGPシリーズ第6戦・NHK杯」(29日、なみはやドーム)
男子はSPで5位と出遅れたソチ五輪金メダリストの羽生結弦(19)=ANA=がフリーで151・79、SPとの合計で229・80点を獲得。結果は4位ながら、連覇を狙うGPファイナル(バルセロナ)進出を決めた。
羽生は冒頭の4回転サルコーが2回転に、4回転トーループはスピードもなく転倒。後半のトリプルアクセル(3回転半)-1回転ループ-3回転サルコーも最初のジャンプを失敗した。本来の姿からはほど遠い内容に、演技後は少し笑顔を見せただけですぐに悔しそうにうつむいた。
会場のインタビューでは涙をにじませながら「いや、もう悔しいです。本当に悔しいです。皆さんにこういう演技を見せてしまって本当に申し訳ないです」と謝罪。それでも会場からは、インタビュアーがGPファイナル出場が決まったことを質問すると、大きな拍手がわき起こった。
羽生は「ありがとうございます」と笑顔を浮かべると「はっきり言って非常にびっくりしてますし、(ケガをした)中国での試合が無駄にならなかったなと思ってます」と、自身に言い聞かせるように話した。
第3戦での中国杯では、8日のフリー前の6分間練習で中国の選手と激しく衝突し、頭部と下顎から流血。それでも演技し、5度転倒しながらも2位に入った。翌9日に帰国後は精密検査を受け、休養をとったこともあり、1週間は練習ができなかった。そんな中での強行出場だったが、4位という結果については「ケガの影響じゃなくて僕の今の実力です」と、一切言い訳をしなかった。