龍谷大平安・岡田、ナンバー1目指す

 「選抜高校野球・1回戦、明徳義塾-龍谷大平安」(21日、甲子園球場)

 龍谷大平安がクリーンアップの2者連続アーチで明徳義塾からリードを奪った。

 1-1の三回、1死から4番・橋本が弾丸ライナーで左翼ポール際へ大会第2号。続く2年生スラッガーで5番に抜てきされた岡田悠希外野手が、外角低めのストレートをバックスクリーン右のネットへ突き刺さした。岡田は試合後、「(見逃し三振の)1打席目と同じ球種で、少し高めをうまく打てた」と振り返った。

 岡田は一冬を越してさらにパワーアップ。投手に注目が集まりがちな今大会において、“清宮世代”の大砲が打者No.1の座を目指す。

 チーム打率・379と強打者が並ぶ龍谷大平安打線の中でも、岡田のスイングは群を抜いている。ロングティーで描くきれいな放物線と圧倒的な飛距離が、類いまれな逸材であることを示していた。そして打席でのたたずまい、雰囲気-。超高校級のオーラを16歳の少年が漂わせる。

 秋の近畿大会ではまだあどけなさを残していたが、一冬を越して明らかに顔つきも変わった。上級生でもついていけない約200メートルの坂道ダッシュを岡田は平然とこなす。2時間に及ぶウオーミングアップでも、きれいに全メニューをこなしてみせる。

 全国的にはまだ無名の存在だが、関西では昨年の春から衝撃を与えていた。センバツにも出場したチームで1年春からレギュラーを獲得。公式戦デビューでいきなり決勝打を放って見せた。新チームとなった秋の近畿大会準々決勝・阪南大高戦では内角低めの厳しい変化球を右翼ポール際に弾丸ライナーで突き刺した。

 原田監督が「あんなホームランみたことない」と振り返った一撃。他にも同校ボールパークの右中間フェンスを越える場外弾を放つなど、逸話には事欠かない。そんな岡田が一冬を越し「体重も4キロ増えて80キロになりました。ベンチプレスも70キロしか上げられなかったのが、100キロまで行くようになった」と手応えを口にする。

 打球も「今まではフルスイングしなければフェンスに届かなかった打球が、ミート中心になっても届くようになった」と言う。そのせいか、シート打撃で打席に入ると余裕を感じさせる。実際に2打席、コンパクトなスイングではじき返した打球は痛烈に野手の間を抜けていった。

 理想とする打者はMLBで歴代1位の762本塁打を放ったバリー・ボンズ(現マーリンズ打撃コーチ)。「軽く振ってすごいところまで打球を飛ばす。フルスイングすればミートするポイントにズレが生じる。軽く振っていかに飛ばせるかを考えてやってます」と岡田は言う。

 身長も入学から2センチ伸び、50メートル走のタイムも6秒2まで上昇した。昨秋の近畿大会で2桁の番号を背負わされる原因になった“忘れ物”のクセも、原田監督は「まだスキを見せていない(笑)」と言いながら目を細める。

 「目標は春夏通算100勝と日本一。甲子園でホームランを打てるように頑張りたい」と力を込めた岡田。将来性豊かな和製ボンズの甲子園デビュー。数年後、日本球界を背負うかもしれないスラッガーの第一歩になる。

 ◆岡田悠希(おかだ・ゆうき)2000年1月19日生まれ、16歳。広島県出身。身長182センチ、体重80キロ。右投げ左打ち。外野手。「広島安芸リトル」で野球をはじめ、中学時代はヤングリーグの「広島府中2000」で投手。龍谷大平安では1年春からレギュラーを獲得。高校通算本塁打は11本。50メートル走6秒2、遠投110メートル。

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