「全国高校野球・３回戦、花咲徳栄１－０鶴岡東」（１５日、甲子園）

　“ヌンチャク男”の友人が試合を決めた。花咲徳栄は０－０の七回１死一、三塁、７番・笹谷拓海捕手（３年）が中前にしぶとく運び決勝打。守っては鎌倉知也（３年）、高橋昂也（２年）の完封リレーをリードし、夏初の８強進出を導いた。

　“ヌンチャク男”とは今夏、埼玉県大会で話題となったバットをヌンチャクのように振り回す動画が話題となった滑川総合の代打選手。大リーグ・ダルビッシュ有（レンジャーズ）がツイッターで絶賛し、米国でも映像は拡散した。

　その“噂の球児”と笹谷は小６時、選抜チームで出会い、ともに捕手として意気投合。小６以来、会っていなかったが、映像と名前を見て「あいつか」とすぐに気付いた。

　「確かに当時からムードメーカーだった。当時はやっていなかったけど、そこまでやるか、と。見た瞬間、何やってるんだ、と思って笑いましたよ」と、“笑劇”を振り返った。「目立ってやろう」という心意気は、大いに刺激を受けた。

　県大会では打率・１９２と絶不調だったが、毎夜、素振り５００回を振り込み、甲子園で復調。甲子園という大舞台で“友人”に負けじと、お立ち台に上がり、堂々と目立った。