大谷2年連続2桁勝利&本塁打のカギは

 昨年、1918年にベーブルースが達成して以来の「10勝&10本塁打」を達成した日本ハム・大谷翔平が、今年、投手としてスケールアップした投球を見せている。開幕から勝ち星を順調に伸ばし、ここまで12試合に登板し9勝1敗。(7月6日現在)。2年連続2桁勝利達成はほぼ間違いない。世界初ともいえる2年連続2桁勝利&2桁本塁打の期待も高まる。史上初、前人未到の記録達成のカギを握るのは-。

 投手としては順調ながら、野手としては結果に苦しんでいる。今季は野手では38試合に出場して打率・186、3本塁打(7月6日現在)。6月の下旬、大谷は状態について「甘い球を打ち損じている。そこができていないから打てない。自分の範囲でしっかり打てば問題ない」と、試合移動日に珍しく弱気ともとれる発言をしていた。他球団の攻め方ではなく、自身の問題と指摘していた。

 バッティングは昨年と比べて何が変わったのか?どれだけ不調でも、打撃練習では中田と並び柵越えを連発する。恐るべき破壊力は健在だ。リーグ戦再開後のソフトバンク3連戦、12打数1安打と結果を残せなかったが、練習ではヤフオクドームのフェンス前のテラス席を越すのは当たり前、スタンド上段へ飛ばすこともしばしば。ただ、実戦となると、そうはいかないのが今年の実情だ。

 打撃の状態が上がってこない理由について、ある首脳陣は「狙い球が来るまで振らないこともあったと思う。追い込まれて、狙い球が来ても1球で仕留めるのは難しい。三振を怖がらずにバットを振ることが大事ではないでしょうか。(初球から)振っていくうちにタイミングを合わせるようにならないと」。積極性のない打撃が、影響していると見ていた。その点については、リーグ戦再開後に積極スイングを心がけることが確認されたという。初球から積極的スイングをすることで、相手投手も怖がるはず。初球から慎重にならざるをえなくなるだろう。今後に期待だ。

 もうひとつの理由は、気になる打席数の少なさ。今季はエース格にのし上がり、どうしても投手優先の起用になる。それでも昨季と単純比較しても、打席に立つことが少ない。昨季はちょうどこの時期の76試合を終えた時点で136打席に立ち、5本塁打。打率も285だった。今季はここまで93打席と打席数減で、3本塁打。投手で活躍することが大前提ながら43打席も少ない。

 栗山監督は野手での出場機会が減ったことについて「(体の)心配をするから」と言う。5日に21歳の誕生日を迎えた大谷に「大ケガがなくここまでこれているのは何より」と言うように、ケガ防止へ体の負担をかけない起用を大前提にしている。不安要素が見受けられれば、野手起用に踏み切れないこともある。

 今季は投手として途中降板が4度ある。4月までの登板で2回、右ふくらはぎをつり、6月14日のDeNA戦では右足首をひねり降板。前回7月2日のオリックス戦は血マメの影響で降板。その後の野手起用は相手先発との相性などもあるが、どうしても慎重にならざるを得ないのが実情だ。

 昨季の本塁打は夏場に集中していた。7月以降に計7本放ち、2桁本塁打に到達。今後の野手出場機会を増やすため、登板時に不安を感じさせない投球を見せることが、打席数の増加につながる。夏場以降に強い大谷。本塁打アップへ、打席数を増やすことができるかがポイントとなる。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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