佑ちゃん“抑え転向”で見えた世界とは

 下馬評を覆し、首位争いをする日本ハム。大谷らを中心に投手陣が安定し、勝ち星を伸ばしている中、1軍昇格を目指し、連投も視野に黙々とファームで投げ続けている投手がいる。斎藤佑樹だ。

 今季未勝利の右腕再生へ、どのような手法で取り組むかに注目していた。栗山監督は2軍行き通達後、一時的な抑え転向を命じる大胆な再生プランを打ち出した。

 今季の斎藤佑はここまで山あり谷あり、好不調を繰り返してきた。始まりは順調に思えた。オープン戦で結果を残し、開幕ローテ枠を勝ち取った。しかし、シーズンに入るや、下降線をたどる。2度の先発で勝利を手にできず、4月18日にファーム調整を命じられた。

 その後、2軍ではこれまでのおおよそ週1回の登板ではなく、連日のブルペン待機を命じられたのだ。抑えの狙いについて栗山監督は「オレの中で考えていたんだ。なんとか立ち直らせるさせるためにね。抑えで、よりいい球を投げようとして、がむしゃらに、全力になるだろう」と説明。毎日、投げる肉体的なつらさを乗り越えることを願った。

 今季の斎藤佑はイニングごとのペース配分でも気にしていたのだろうか。今季初先発した4月3日のロッテ戦では突然崩れた。三回まで制球もまずまず安定。ところが四回、それまでとは別人のような投球で打たれだし、五回途中、勝ち投手の権利を目前にマウンドを降ろされた。屈辱だっただろう。

 大胆な策は大きな変化をもたらしそうだ。これまでは2軍落ちから、あくまで先発で調整。今回は抑えとして結果を出すことが1軍復帰への条件。抑えで1イニング1球1球、全力投球が求められる。黒木投手コーチは「投球の出力を上げる狙いはあります。後ろの投手がどういう思いで投げているのかとか、全てにおいていい経験になる」と話す。

 ここまで計12試合に登板し、3セーブを挙げている斎藤佑。これまでの先発調整と違い、毎日肩をつくる大変さを感じているという。先発投手の場合、登板前日は練習を終えると試合開始前には帰宅し、翌日に備える。しかしリリーフ投手は毎日、最後まで試合を見届けなければいけない。

 連日のブルペン待機で、一回り大きくなった佑ちゃん。1軍復帰後、これまでと違う姿を見せることができるか注目したい。

(デイリースポーツ・水足丈夫)

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