エース事故死のマーリンズ弔い星 劇的先頭打者弾に選手号泣

勝利の後、肩を組んでマウンドを囲むマーリンズの選手たち(撮影・小林信行)
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 「マーリンズ7-3メッツ」(26日、マイアミ)

 25日未明のボート事故で若きエース、ホセ・フェルナンデス投手(享年24)を失ったマーリンズがメッツと対戦。初回にゴードンが先頭打者弾を放つなど、14安打で7点を奪う快勝劇で亡き同僚の弔い星となった。先発を外れたイチロー外野手(42)は七回に代打で出場し、左前打を放った。

 前日のブレーブス戦が急きょ、中止となり2日ぶりの公式戦となったマーリンズ。劇的な一発が飛び出したのは初回だ。先頭のゴードンがコローンに対し、カウント2-0からの3球目を打って今季1号となる右越え本塁打を放った。

 どよめきと歓声が渦巻く中、ダイヤモンドを回り、本塁上で亡き同僚の冥福を祈るかのように自身の胸を2回叩き、天を指差した同選手。しかし、その直後にこらえ切れずに号泣。ベンチ内ではイエリチらチームメートも涙を流して迎えた。

 二回には先頭の5番スタントンから怒とうの4連打を含む5長短打で一挙に4点。三回にも3長短打で2点を加えて7-0の一方的な展開となり、地元ファンを熱狂させた。

 試合前にはフェルナンデス投手の追悼式典が行われた。この日は大リーグ機構の許可を得て、マーリンズの選手、首脳陣全員が背中に「16」と「FERNANDEZ」が入ったユニホームを着用。両軍選手がベンチ前で整列し、マーリンズの先発野手8人が「16」のペイントがほどこされたマウンド周辺に集まった後、トランペットによる「球場に私を連れてって」の独奏が流れる中、大型スクリーンには在りし日の同投手の人柄がしのばれる写真が映し出された。

 国歌演奏の後には両軍選手がお互いに握手とハグ。さらにマーリンズの選手ら全員がマウンドに集結し、指で「16」や同投手のイニシャルなどを書き入れた後、円陣を組み、試合に臨んだ。スタンドからは“ホセ・コール”の大合唱が起こった。

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