大リーグ、マイアミ・マーリンズと１年契約で合意したイチロー外野手（４１）が２９日、東京都内で入団会見を開いた。球団幹部だけでなく、医療スタッフも来日するなど、ＶＩＰ待遇で迎えた球団の誠意に感謝しながら、「やたらに熱い思いが伝わってきた。その思いに応えたい」。イチロー節全開でメジャー１５年目に懸ける気持ちを言葉にした。

　無数のフラッシュを浴びながらポーズを決めた。３年ぶりとなる背番号「５１」。スーツから戦闘服に着替えたイチローは「新しいユニホームを着るとテンションが上がる。これは子供のころから変わらない」と言って、笑みをこぼした。

　報道陣約２００人が集結した。本拠地マイアミからは１８時間かけてサムソン球団社長ら幹部だけでなく医療スタッフも来日した。契約前の健康診断は米国で受けるのが通例。イチローは「ただただ恐縮しています。球団のやたらに熱い思いが伝わってきた。選手として必要としてもらえることが僕にとって何よりも大切。大きな原動力になる」と感謝した。

　メジャー１５年目で初のナ・リーグ球団。「一番遠い場所で情報が最も少ないチームの１つ」と話すほどの“未知のチーム”だ。イチローは「マイナス要素を挙げてすべてクリアできた」と決断までの経緯を明かし、「こんなことは若いうちにしかできないから行くべき。『若い』というのは、平均寿命までまだ３９年あると言う意味ですよ」と解説した。

　マ軍の外野陣はスタントンら３人がほぼ確定。現時点での役割は“第４外野手”だ。

　「想定内。４番目は何の問題もない。５番目はつらいですけど、それに僕はピッチャーもできますから」

　１年契約だが、条件には打席数による出来高が盛り込まれている。メジャー通算３０００安打まであと１５６本。日米通算では、ピート・ローズのメジャー最多４２５６安打まで１３４本。「数字は大切。ただ、それがすべてではない」。１０月で４２歳になる“若者”が無欲でプロ２４年目を迎えようとしている。