イチロー4安打「今日は松井さんの日」

 「ヤンキース6-5レイズ」(28日、ニューヨーク)

 ヤンキースのイチロー外野手(39)は「6番右翼」で出場し、4打数4安打1打点。前日まで2戦11打席(1犠打含む)連続無安打だったが、一転、今季初、メジャー通算50度目の1試合4安打の爆発で打率を・279。日米通算3984安打とし、大台まであと16本とした。

 初回2死二塁の打席は適時中前打、三回は右前打、六回は中前打、八回は中前打だった。

 試合は、この日戦列復帰したヤ軍のキャプテン、ジーターが第1打席で初球を右中間席へ運ぶ1号ソロで先制。一旦は逆転を許したが、同点の九回1死一、二塁の場面でソリアーノがサヨナラ打を放って6-5で劇的勝利。連敗を「2」で止めた。

 存在感を見せつけた今季初の1試合4安打。左腕3投手の150キロ台の速球を鮮やかなラインドライブで外野へ運んだ。しかし、試合後のイチローは自分が前に出ることを遠慮した。笑みを浮かべながら「いやいや、僕はいいですよ。今日はジーターさんと松井さんの日でいいんじゃないですか」と言った。

 まずはジーター。右足のけがから復帰したばかりのキャプテンが初回の打席で初球を右中間席へ運んだ。連敗中の悪い流れを断ち切り、仲間たちを鼓舞する一撃。「初球行くだろうな、と思っていた。ただ、あの結果にはなかなかならない。しびれたねぇ」とイチロー。その千両役者ぶりに「スーパースターですよ、やっぱり。まさにその証明ですよね」とただただ感心した。

 常々、ジーターの存在の大きさを口にしてきた。昨年10月のプレーオフで骨折した左足首を完治させ、11日の試合で一度は戦列に戻ったが、その試合で今度は右足太ももを痛めて故障者リスト入り。17日ぶりの先発出場にイチローは「僕は単純に気持ちいいですよ。ジーターがそこにいてプレーして、ショートに入って、普通にやってくれたら単純に気持ちいいからね」と大歓迎。4安打の結果がすべてを物語っていた。

 ゲームの主役がジーターなら、試合前の主役は松井氏だった。ヤ軍と1日限りのマイナー契約を結び、引退セレモニーを行った。試合開始直前のベンチでガッチリ握手。「久しぶり。いろいろおめでとう」。笑顔で言葉を交わし、4万7714人が押し寄せ、1カ月半ぶりにチケットが完売したことに「これだけの人たちが集まったことはすごいことだなと思います」と話した。

 地区首位が入れ替わりレッドソクッスが首位に。ゲーム差は「7・5」。「死にかけのとこギリギリでつながった感じですかね」。苦しい状況に変わりはないが、待望のキャプテン復帰で悪い流れを完全に断ち切った。残り57試合。ここから反撃が始まる。

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