小吹隆文撰・週末アート、11/9~

「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、日本・近世、近代の名品をじっくりと味わえる絶好の機会です。

 

美術館の実力がよくわかる名品展

『壺中之展ー美術館的小宇宙』

@大阪市立美術館(大阪市天王寺区)

昭和11年(1936)5月1日に、大阪・天王寺に開館した「大阪市立美術館」。開館80周年を記念した本展では、国宝・重要文化財を含む館蔵品・寄託品約300件が見られます。

同館のコレクションの特徴は、日本・東洋美術を中心とすることと、中国書画の阿部コレクション、中国石仏の山口コレクション、日本の根付・印籠のカザールコレクションなど、市民からの寄贈品が多数を占めていること。その総数は約8400件に上ります。また、美術館の土地自体も住友家の寄贈であり、まさに市民が作った美術館と言えるでしょう。中国の故事「壺中之天」では、壺の中に素晴らしい別世界が広がっていました。壺を美術館に見立てた本展で、大阪市が誇る名品を味わってください。

2016年11月8日(火)~12月4日(日)

 

昨年の琳派ブームが再燃するかも!

『鈴木其一 江戸琳派の旗手』

@姫路市立美術館(兵庫県姫路市

江戸時代初期の京都で本阿弥光悦と俵屋宗達が創始した琳派は、中期に登場した尾形光琳・乾山兄弟により華麗な装飾様式として確立。後期には江戸の酒井抱一が継承して江戸琳派と呼ばれました。抱一の門弟の中なかでも特に優れ、江戸琳派の発展に大きく貢献したのが鈴木其一(1796~1858)です。

その洗練された作風は、後の近代日本画にも大きな影響を与えました。彼の画業を回顧するこの展覧会では、江戸琳派を習得した弟子時代、画風の転換期に当たる「?々(かいかい)」時代、「菁々(せいせい)」と称した晩年の作品などを展観します。国内の代表作に加え、米国のファインバーグ・コレクションからも多数の代表作が里帰りする、決定版的展覧会です。

2016年11月12日(土)~12月4日(日)/2016年12月6日(火)~25日(日)

 

蘆雪と応挙に、若冲を加えた豪華展

『蘆雪溌剌ー草堂寺と紀南の至宝ー』

@和歌山県立博物館(和歌山県和歌山市)

江戸時代を代表する画家・円山応挙の弟子で、師とは対照的に奔放な画風で知られる長沢蘆雪(1754~1799)。彼は1786~87年に師の名代として京都から紀南(和歌山県南部)に赴き、本堂を再建していた草堂寺に障屏画を残しました。

同寺の再建230年を記念した本展では、再建時に蘆雪が描いた障屏画の全てを、円山応挙の作品とともに一挙公開。また、成就寺、高山寺、持宝寺などに伝わる蘆雪画も展示し、紀南における蘆雪の制作活動に迫っています。ほかには、草堂寺の草創、復興や、近代の蘆雪画の保存運動、蘆雪と同時代に活躍した伊藤若冲などの近世絵画も紹介。寺院と絵画が地域で果たした役割や、紀南の豊饒な近世文化を明らかにしています。

2016年10月18日(火)~11月23日(祝・水)

 

(Lmaga.jp)

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