弥生時代の時代劇に挑戦、京都の劇団

テンポ良い会話が魅力 京都のMONO

関西を拠点に活動する劇団・役者・カンパニー・団体・演出家・脚本家などは数知れず。演者の息吹が感じられるせっかくのチャンスを逃さないよう、息巻く舞台・演劇ライターが自分たちのご贔屓をプレゼンテーション。初回は「演劇マニア以外も楽しめる舞台」を求めて、地域問わず駆けまわる演劇ライター・吉永美和子が京都の劇団「MONO」をピックアップ。

ドラマ『斉藤さん』で見せた軽妙な笑い

TVドラマ『斉藤さん』など、様々な映像や舞台の脚本を手がける土田英生。軽妙な笑いの中に「人間にとって大事なこと」をさり気なく伝える、軽さと重さがミックスしたコメディで人気があります。とはいえ彼の本領が遺憾なく発揮されるのは、彼が主宰する京都の劇団「MONO」なのです!

笑いの根源は、劇団員のアンサンブル

MONOの結成は1989年(当時の劇団名は「B級プラクティス」)で、90年代半ばに今のスタイルを確立。当時関西の主流だった、役者のキャラや派手なギャグで笑わせるコメディとは一線を画した舞台で、全国的な注目を集めるようになりました。

この笑いを可能にするのは、劇団員たちのアンサンブルです。MONOの戯曲は日常会話が中心で、各登場人物の微妙な間合いや声のトーンの変化こそが笑いの要。それを全員が絶妙な一体感、かつテンポよく演じることで「コメディ」として成立させる舞台は、まるで落語…しかも故・桂米朝師匠の人情的な口調で語られる古典の世界に近いでしょう。「サッカーで言うと、全員パスしか回してないのに、いつの間にか“あ、入っちゃった”という点の取り方」とは土田のMONO評。このアンサンブルだからこそ可能な、あざやかな点(=笑い)の取り方に魅了されるはずです。

最新作は劇団初の、弥生時代の時代劇

そんな彼らの、結成27年目にして初の時代劇が、3月に上演する『裸に勾玉』。弥生時代の狗奴(くな)国に現れた正体不明の男と、ある家族たちの交流を通して、カルチャーギャップのおかしさと、今の時代にも通じる同調圧力の怖さも描くそう。「お互いが縛り合う社会の中でも、人間的な心を失わないでいる姿っていいねということを、笑いを交えて愉快に見せたい」と土田。今の社会が窮屈な人にとっては、そんな社会を明るく楽しくサヴァイブするためのヒントが得られるかもしれませんね。大阪では3月23日~27日に「ABCホール」にて。

文/吉永美和子

(Lmaga.jp)

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