桐光・松井12K!3戦連続2桁で計53K

 「高校野球・3回戦、桐光学園4-1浦添商」(19日、甲子園)

 桐光学園が浦添商を下し、春夏通じて初の準々決勝進出を果たした。2年生左腕の松井裕樹投手が、3試合連続2桁奪三振となる12奪三振で1失点完投した。桐光学園は20日の第1試合で、昨年準優勝の光星学院(青森)と激突する。

 目の色が変わった。八回無死から甲子園初被弾を喫した直後、桐光学園・松井のスイッチが入った。「悔しかった。もう1回ギアを入れて、全力で思い切り投げました」。一気に球速の上がった直球で押しまくり、8番の代打・大城翔から1番・東江まで145キロ、145キロ、142キロで3者連続空振り三振。雄たけびを上げてベンチへと走った。

 浦添商打線に、序盤は粘られた。宝刀・スライダーを狙われてピンチも招き、2試合続いていた毎回奪三振は初回に途切れ、最初の奪三振は三回2死から。しかし「力投型で行くと球数が増えて、後半につかまると思った」と、打たせて取るスタイルを守った。終盤に力を爆発させて八、九回のアウトはすべて三振。結局、12個のKマークを積み上げた。

 ギアを上げられる秘密があった。中盤に織り交ぜた130キロ台の“抜いた直球”だ。自己流で身につけ、今春県大会から使い始めた。今大会では初披露。サインは通常の直球と同じで、松井が自由に選択する。体力の温存と同時に打者も幻惑。「(県大会と甲子園の)13連勝が目標。1人で投げ抜く意識が強くなっている」と女房役の宇川。2年生ながら、試合単位だけでなく大会全体まで見据えるプロデュース力がすでに備わっている。

 快投を支える下地づくりも怠らない。登板後は、宿舎近くの施設で高圧酸素カプセルに入って回復。野菜が苦手で不足しがちな分は、コンビニで野菜ジュースをまとめ買いしてカバーしている。猛暑で体重が落ちる選手が多い中、大会序盤は逆に1~2キロ増えるほど食欲旺盛。ランニングなどで調整し、今はベストの74キロ前後を維持している。

 3試合連続2桁の通算53奪三振で8強入り。板東英二(徳島商)が持つ83個の大会記録更新も視界に入ってきた。連戦となる準々決勝の相手は、北條、田村のプロ注目強打者コンビを擁して2季連続準Vの光星学院だ。「どこまで通じるか楽しみ。全力で抑えたい」。“神奈川のドクターK”が、真価を証明する時が来た。

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