「寛仁親王牌・Ｇ１」（２０日、弥彦）

　驚きの初優勝だ。最終日１１Ｒで争われた決勝は園田匠（３３）＝福岡・８７期・Ｓ１＝が制して、優勝賞金２８９０万円（副賞含む）と「ＫＥＩＲＩＮグランプリ２０１５」（１２月３０日・京王閣）の出場権を獲得した。園田のＧ１優勝は初めて。２着は武田豊樹（茨城）、３着は神山雄一郎（栃木）が入り、３連単は２１万円を超える高配当となった。

　事前に行われた特別選手紹介のインタビューでは「穴党のファンの人は僕から車券を買ってください」とアピールしていた。その言葉通りに優勝。１着でゴールを駆け抜けた瞬間、右手人さし指を高々と上げて勝ち誇った。

　レースは新田祐大（福島）－渡辺一成（福島）－伏見俊昭（福島）－菊地圭尚（北海道）が前受け、中団に武田－神山、後方に脇本雄太（福井）－金子貴志（愛知）－園田で周回。脇本が残り２周半の青板バックストレッチから上昇すると、赤板ホームストレッチ前から先行。すると武田は脇本の番手で並走し、金子を内からさばいて脇本－武田－神山、金子－園田、新田－渡辺－伏見－菊地の並びで打鐘を迎える。１列棒状のまま最終２コーナー、ようやく新田が６番手から仕掛けると、バックストレッチで金子－園田もまくり敢行。３コーナーでは武田も自分で踏み、直線では神山も続くが、金子にスピードをもらった園田が、武田の外から踏み勝ち１着でゴールした。

　Ｇ１を初めて制した園田は「師匠（吉岡稔真氏）を含めて、仲間たちにたくさん迷惑を掛けてきたので、ようやく恩返しできた。師匠から“１回だけのタイトルは本当のタイトルじゃない”と言われているので、もう１回勝てるように頑張りたい」と、さらなる飛躍を誓った。