【地方競馬】全日本2歳優駿に注目

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 今年も残り1カ月を切り、南関東競馬も大詰めを迎えた。残りの大レースも3レース。東京大賞典(29日・大井)以外では、全日本2歳優駿(16日・川崎)、東京2歳優駿牝馬(31日・大井)の2歳戦となる。ここまでレベルの高いレースが繰り広げられている世代だけに、世代の総決算となるこの両レースが非常に楽しみだ。

 しかも、今年は全日本2歳優駿にここまで南関東で行われた2歳重賞3レースの優勝馬が、そろって出走予定(昨年は1頭も出走なし)。JRA勢相手にも好勝負に持ち込めるとみる素質馬たちだけに、南関東担当記者としても胸が高鳴る。この先もずっと、紙面に見出しとなって登場するであろう面々だけに、横顔を紹介したい。

 まずは、世代最初の重賞ウイナーとなったハイセイコー記念優勝馬トロヴァオ(牡2歳、大井・荒山勝)。門別から南関東に移籍して初戦だった。当初は賞金不足から当レースへの出走を危ぶまれたが、回避馬が多数出たため出走が可能に。だが、メンバー中最低獲得賞金にもかかわらず門別でのハイレベルのレースぶりから、14頭中3番人気だった。「すごいバネをしているから、楽しみな馬なんだ」と荒山勝師の言葉通りの見事な末脚を披露し、重賞初制覇を成し遂げた。今回の中間は馬場見せを兼ねて小林分場(千葉県印西市)から川崎まで出向いて調教を敢行したりと、この一戦への意欲的な調整が行われている。

 2頭目の重賞勝ち馬となったのは鎌倉記念を制したポッドガイ(牡2歳、川崎・八木正)。7月のデビューから4戦4勝で臨んだ地元のスター候補は、断然の1番人気に支持され、初の強敵相手にも完勝。それまで楽勝続きで分からなかった勝負根性も見せて、差し切った。続くオープン特別では、他馬より2キロ重い57キロの斤量を背負いながらも完勝。デビューから無傷の6連勝で大一番に挑む。

 最後の3頭目は平和賞を勝ったアンサンブルライフ(牡2歳、浦和・小久保)。重賞初挑戦となった鎌倉記念では2着に敗れたが、鞍上の的場文が「スタートで接触してムキになり、掛かってしまった」と能力を出し切っての敗戦ではないことを強調していた。次戦は的場文のお手馬が重なったことももあり、鞍上は左海誠にスイッチ。相手も緩和し、待望の重賞制覇を成し遂げた。

 いずれもまだ全く底を見せていない3頭が対決するだけに、例年以上に一見の価値がある今年の全日本2歳優駿。また、この3頭以外にも同世代には、ハイレベルのホッカイドウ競馬からの移籍組など、将来性の高い馬が目白押し。来年の羽田盃、東京ダービーの3歳クラシックレースもまた、名勝負が見られるのは間違いないと思われるだけに、今からその時が待ち遠しい。(南関東競馬担当・工藤修)

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